「生物多様性の本箱」~みんなが生きものとつながる100冊~
2010年10月に愛知県名古屋市で開催されたCOP10を契機に、生物多様性の認知度は大きく上昇していますが、生物多様性の理解が十分に進んでいるとは言えないため、さらなる普及啓発の取り組み強化が必要です。
このため、国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)では、生物多様性の理解や普及啓発、環境学習にも資するものとして、UNDB-J推薦「子供向け図書」(愛称:「生物多様性の本箱」~みんなが生きものとつながる100冊~)を選定しました。
※図書リストはPDFでもご覧いただけます。
全リスト(627KB)
[ 幼児向け(165KB)/小学校 低学年向け(333KB)・高学年向け(319KB)/中学生向け(207KB)]

選定基準:(1)(2)(3)(4)(5)(6)
野生動物への2つの視点 “虫の目”と“鳥の目”
著 南正人、高槻成紀
筑摩書房
発行:2010年05月
価格:840円(税込)
一頭のシカをじっくり観察する「虫の目」と、シカをめぐる生物界のバランスを考える「鳥の目」。複数の視点から動物を立体的にとらえることで、生きもののつながり、そして人間を含む生物界全体が見えてきます。

選定基準:(1)(2)(3)(5)
モグラ博士のモグラの話
著 川田伸一郎
岩波書店(ジュニア新書)
発行:2009年08月
価格:819円(税込)
絵本やキャラクターで親しみのあるモグラ。でもその姿を見ることや生活を知るチャンスは殆どありません。本書はモグラに挑む若手研究者が平明な言葉でその研究成果を語り、身近な生き物に対する興味を掘り起こします。

選定基準:(1)(2)(3)(5)
マダガスカルがこわれる
著 藤原幸一
ポプラ社
発行:2010年05月
価格:1,890円(税込)
あと10年で消滅すると言われているマダカスカルの原生林。樹齢1000年にも及ぶバオバブの木や原猿類のベローシファカ。豊かな森がこんなにも短期間でなくなる世界は、やがて人間の命も脅かすことを示唆しています。

選定基準:(3)(4)(5)(6)
日本らしい自然と多様性-身近な環境から考える
著 根本正之
岩波書店(ジュニア新書)
発行:2010年05月
価格:819円(税込)
里山や川の土手には多くの草花が生えています。それらは在来のものか、あるいは近年外国から入ってきたものかを考えたり、生物の多様性を保つには、どいういうことが必要なのかを考えます。

選定基準:(3)(4)(6)
日本人は植物をどう利用してきたか
著 中西弘樹
岩波書店(ジュニア新書)
発行:2012年06月
価格:861円(税込)
和紙に使うコウゾやミツマタ、藍染めに使うアイ、畳にするイ等、植物は食材や家屋にはもちろん、日常の道具や年中行事にも、植物は用いられてきました。自然を暮らしの中に取り込んできた先人の知恵を学ぶ一冊です。

選定基準:(1)(2)(3)(5)
鉄は魔法つかい
著 畠山重篤
小学館
発行:2011年06月
価格:1,365円(税込)
「美味しい牡蠣を作りたい」その一心で始まった気仙沼の漁師の研究は、森に木を植える活動に発展し、やがて、生き物と鉄の不思議な関係に辿り着きます。身近な話題から自然の仕組みをわかりやすく解説しています。

選定基準:(1)(2)(5)(6)
樽前山 お花畑で聞いたこと
著、写真 新沼友啓
ふるさと文化セミナー
発行:2002年10月
価格:1,575円(税込)
高山植物や高山植物を育む厳しく繊細な山岳環境、登山による影響をはじめとする人との軋轢、そしてその保全について、著者等が続けてきた実際の観察・活動に基づき、写真やイラストも用いて丁寧にわかりやすく説明している本です。

選定基準:(1)(2)(5)
<生物多様性>入門
著 鷲谷いづみ
岩波書店(岩波ブックレット)
発行:2010年06月
価格:630円(税込)
長い歳月に生物同士が関わることで成り立ってきた自然は、人が関わる短期間で大きく変化しつつあります。その現状や保全について保全生態学の第一人者がわかりやすく解説し、「生物多様性」を大きく俯瞰できる一冊です。

選定基準:(4)(5)(6)
生物多様性と私たち-COP10から未来へ
著 香坂玲
岩波書店(ジュニア新書)
発行:2011年05月
価格:861円(税込)
COP10で議題となった生物の多様性を、私たちの暮らしを通して考えてみるための書。そこから、多様性が私たちの暮らしに、なぜ大切なのかがわかってきます。

選定基準:(1)(2)(3)(4)
図説 木のすべて(全5巻)
監修 小澤普照
著 ①山岡好夫/②③三輪雄四郎/④小澤普照/⑤田中正則
大日本図書
発行:1999年03月
価格:各2,940円(税込)
木は森をつくり、森は人間はもちろん、さまざまな生物に多様な恵みを与えています。地球環境と私たちの命を守っている木を様々な分野から見て、その魅力と重要性が理解できるように編集しました。全5巻の構成:①さまざまな木のすがた②木と人間の歴史③現代における木の利用④森ができるまで⑤人間を生かす森

選定基準:(1)(2)(4)(5)
サンゴとサンゴ礁のはなし―南の海のふしぎな生態系
著 本川 達雄
中央公論新社
発行:2008年06月
価格:882円(税込)
多くの生物が互いに助け合って生きるサンゴ礁の海を丁寧かつ魅力的に描写し、十分な知識を与え、地球温暖化や陸からの影響などサンゴ礁を危機に追いやっている要因を通じて人間社会のあり方を考えさせる本です。

選定基準:(1)(2)(3)(4)(5)(6)
さとやま-生物多様性と生態系模様 <知の航海シリーズ>
著 鷲谷いづみ
岩波書店(ジュニア新書)
発行:2011年06月
価格:882円(税込)
雑木林や木などで構成されている里山。この多様な自然環境のしくみをわかりやすく書いてあります。里山とは何か、なぜ大切なのかを考えさせてくれる本です。

選定基準:(1)(2)(3)(4)(5)(6)
生きもの地図をつくろう
著 浜口 哲一
岩波書店(ジュニア新書)
発行:2008年01月
価格:777円(税込)
地球環境問題に関心があって自分でも何かしてみたい。そんな人にぴったりなのが生きもの地図づくりです。誰でも気軽に取り組めて、春はタンポポ、梅雨時はカエル、夏はセミ、秋は虫、冬は野鳥と、一年中できるのも魅力です。何より自分の街の自然に親しめるようになります。身近な生きものの様子から、環境の変化を読み取る方法を身につけましょう。

選定基準:(1)(2)(3)(4)(5)
0.1ミリのタイムマシン―地球の過去と未来が化石から見えてくる (くもんジュニアサイエンス)
著 須藤 斎
くもん出版(くもんジュニアサイエンス)
発行:2008年11月
価格:1,470円(税込)
0.1ミリ以下の小さな植物プランクトンのケイソウ。その化石を調べることが、大昔の地球の姿を明らかにし、さらに地球がこれからを考えることに繋がりました。地道な研究が新たな発見に発展することを知る一冊です。

選定基準:(1)(2)(3)(4)(5)
野生のゴリラと再会する─二十六年前のわたしを覚えていたタイタスの物語
著 山極寿一
くもん出版
発行:2012年12月
価格:1,470円(税込)
1980年、ゴリラの国に留学したわたしは、タイタスと出会いました。それから二年間、アフリカの森でいっしょに過ごしたわたしに、かれやその仲間が教えてくれたこととは?
興味深いゴリラの世界から、人間についても考えさせられる1冊です。

選定基準:(1)(2)(3)(5)
森は生きている
著 富山和子
講談社(青い鳥文庫)
発行:2012年12月
価格:651円(税込)
日本の国土の3分の2は森林です。森林は生活の道具をはじめ、生きていくうえで欠かせない酸素も水も森林が作ります。森は人を支え、自然を支えています。森林の働きを知ることでその大切さを認識することができます。

選定基準:(1)(2)(5)
みみずのカーロ シェーファー先生の自然の学校
著 今泉みね子
合同出版
発行:1999年08月
価格:1,365円(税込)
みみずのカーロの暮らし方は、たくさんの自然の知恵を教えてくれます。自然との共生を学び、同時に感性も育んだ、子どもたちとの感動の物語です。

選定基準:(1)(2)(3)(4)(5)
琵琶湖のカルテ
著 今関信子
文研出版
発行:2010年09月
価格:1,365円(税込)
固有種に恵まれた琵琶湖の環境変化に、「琵琶湖の医者」として湖を見守ってきた科学者の研究を通して伝える本です。

選定基準:(4)(5)
干がたは海のゆりかご 東京湾の海を守る
著 川嶋康男/イラスト すずきもも
絵本塾出版
発行:2012年03月
価格:1,785円(税込)
干がたには、潮の満ち干や川の影響で変化する環境に合わせた、さまざまな生き物がいます。東京湾を舞台に、食物連鎖の中に生きる生き物たちについて考える本です。

選定基準:(1)(2)(3)(4)(5)(6)
ハクチョウ水べに生きる
著 嶋田哲郎/写真 伊藤利喜雄
小峰書店
発行:2012年09月
価格:1,470円(税込)
ハクチョウの飛来地である、宮城県北部の伊豆沼・内沼で観察された、ハクチョウの生態を紹介。それとともに、渡り鳥であるハクチョウが、飛来地の生態系には深く関わっていること、地元の人たちの環境づくりの努力もわかる1冊です。