「生物多様性の本箱」~みんなが生きものとつながる100冊~
2010年10月に愛知県名古屋市で開催されたCOP10を契機に、生物多様性の認知度は大きく上昇していますが、生物多様性の理解が十分に進んでいるとは言えないため、さらなる普及啓発の取り組み強化が必要です。
このため、国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)では、生物多様性の理解や普及啓発、環境学習にも資するものとして、UNDB-J推薦「子供向け図書」(愛称:「生物多様性の本箱」~みんなが生きものとつながる100冊~)を選定しました。
※図書リストはPDFでもご覧いただけます。
全リスト(627KB)
[ 幼児向け(165KB)/小学校 低学年向け(333KB)・高学年向け(319KB)/中学生向け(207KB)]
選定基準:(1)(2)(3)(4)(5)
ドキュメント 地球のなかまたち(全12巻)
写真、文、他 海野和男
新日本出版社
発行:2005年06月~2008年03月
価格:各1,470円(税込)
生き物のふしぎな力。絶滅しそうな生き物のことを知り、守っていく行動。そして生き物のことを多くの人に知らせる努力。そんな、知っていそうで知らなかった生き物たちの姿と力、その生き物と関わる人たちの姿をわかりやすく伝えるシリーズです。
選定基準:(1)(2)(3)(4)(5)(6)
蝶の目と草はらの秘密
著 ジョイス・シドマン/イラスト ベス・クロムス
訳 百々佑利子、藤田千枝
冨山房
発行:2011年10月
価格:2,100円(税込)
スクラッチボードによって描かれた草はらの見事なタペストリー、リズミカルな詩句による《なぞかけ》、そして科学的な解説。三者が一体となったユニークな絵本です。
選定基準:(3)(5)
生物の消えた島
著 田川日出夫/イラスト 松岡達英
福音館書店
発行:1987年01月
価格:1,365円(税込)
100年前、大噴火によって生物が死に絶えたクラカラウ島。やがてその島には多くの生物が移住してきました。どこから、どうやってきたのかを探る絵本です。
選定基準:(1)(2)(3)(4)(5)
切っても切ってもプラナリア 新装版
著 阿形清和/絵 土橋とし子
岩波書店
発行:2009年06月
価格:1,890円(税込)
そのタイトルのとおり、強靭な再生能力を持つプラナリア。その小さな生物の採集・飼育・実験を写真よりわかり易くイラストで紹介しています。観察から仮説へと科学的に考えることの面白さを体験できる構成が魅力です。
選定基準:(1)(2)(3)(5)
オールド・ブルー 世界に1羽の母鳥
著 メアリ・テイラー/訳 百々佑利子
さ・え・ら書房
発行:1999年12月
価格:1,470円(税込)
人の移住により絶滅の危機に追い込まれた鳥「ブラックロビン」。本書はたった一羽残った母鳥を救うために尽くした人々のノンフイクションです。事実の記録を読むことは、現在の状況を考える確かな布石となるはずです。
選定基準:(1)(2)(3)(5)
絵ときゾウの時間とネズミの時間
著 本川達雄/イラスト あべ弘士
福音館書店
発行:1994年04月
価格:1,365円(税込)
ネズミは数年、ゾウは70年といわれる寿命。でも生涯に打つ心拍数はどちらも約15億回で、それぞれ同じ生涯といえます。哺乳類の寿命の不思議について、同名の中公新書が子どもむけに丁寧にリライトされています。
選定基準:(1)(2)(3)(6)
森にいこうよ!
著 C.W. ニコル/監修 田中康夫/イラスト 松岡達英
小学館
発行:2004年05月
価格:1,470円(税込)
森はたくさんの命を育み、森は私たちの生活を支えやすらぎを与えてくれ、生きものたちの命のドラマあることを教えてくれる絵本です。
選定基準:(1)(2)(3)(4)(5)(6)
みんなでかんがえよう!生物多様性と地球環境(全3巻)
編、他 京極徹
岩崎書店
発行:2010年10月
価格:各3,150円(税込)
地球上の様々な生き物について、人との関わりという視点で見直すシリーズです。1巻では、私たちの暮らしとの関わりを、2巻では、日本列島の生物多様性の魅力を、3巻では、テレビ・新聞で話題の「ホットスポット」について紹介します。
選定基準:(1)(2)(3)(6)
たねのはなし-かしこくておしゃれでふしぎな、ちいさないのち
著 ダイアナ アストン/イラスト シルビア ロング
原著 Dianna Aston、Sylvia Long/訳 千葉茂樹
ほるぷ出版
発行:2008年03月
価格:1,575円(税込)
屋根よりも高いセコイアの木も、もともとは、指先にのるほど小さな種でした。生命の不思議や、生きてゆくための知恵がたくさん詰まった種。その<小さな命>を美しいイラストで紹介した絵本です。
選定基準:(1)(2)(3)
世界のふしぎな虫おもしろい虫
著 今森光彦
アリス館
発行:2012年07月
価格:3,990円(税込)
色や形、暮らしぶりがおもしろい虫たちを、今森さんの美しい写真と楽しい文で紹介。実物大写真を241点掲載し、図鑑としても貴重です。
選定基準:(1)(2)(3)(4)(6)
カキじいさんとしげぼう
文 畠山重篤/絵 徳田秀雄
水山養殖場 カキの森書房
発行:2005年06月
価格:1,260円(税込)
カキじいさんは、なんでも知っている。「川の水と海の水がまじりあう、しげぼうの海って、いのちの十字路なんじゃよ。」カキじいさんはそういうと、ひくい声で歌いだしました。
選定基準:(2)(4)(6)
いきもの図鑑えほん
著 前田まゆみ
あすなろ書房
発行:2012年03月
価格:1,785円(税込)
日本で身近に暮らす「いきもの」152種の生態を丁寧にまたかわいいイラストで紹介します。動物・鳥類、それからミツバチ・チョウ・だんごむしなどの虫まで。それぞれの寿命や子育ての仕方など、大人でも知られていない生態を描いています。
選定基準:(1)(2)(3)(4)(5)(6)
いきもの いのち絵本(全5巻)
著 今泉忠明、山崎充哲、アン・ドヒョン他
星の環会
発行:2012年04月
価格:1,365円~1,680円(税込)
同じ干潟に住むさまざまな鳥たちや日本の川に住む外来種の魚のおはなし、里山の消えゆく水辺の昆虫のおはなし、絶滅してしまった動物たちのおはなし、やがて樹へと育つ小さなどんぐりのおはなし。生物の多様性、自然保護や環境のことを、絵本で子どもたちにわかりやすく語りかけた理科絵本のシリーズです。(1.干潟のくちばしじまん 2.多摩川のおさかなポスト 3.田んぼの昆虫たんけん隊 4.いこう!絶滅どうぶつ園 5.どんぐりちゃん)
選定基準:(1)(2)(6)
山に木を植えました
著 スギヤマカナヨ/監修 畠山重篤
講談社
発行:2008年05月
価格:1,365円(税込)
海を守るために、漁師たちが植林活動を始めて今年で20年になります。山に木を植えるということは、人々の心に木を植えるということだ、という思いが強く伝わってきます。
選定基準:(1)(2)(3)(4)(5)(6)
野生の動物を守りたい
著 フランセス バリー/原著 Frances Barry/訳 たにゆき
大日本絵画
発行:2010年04月
価格:1,575円(税込)
絶滅の危機にある動物たちを守るために、私達が出来ることをわかりやすく説明した絵本です。各ページにめくる仕掛けがあり子供たちが遊びながら、学ぶことができます。身近なことから、絶滅危機の動物たちを守る事も学べ、自然を大切にする事の重要性を伝えています。
選定基準:(1)(2)(3)
森を育てる生きものたち 雑木林の絵本
著 谷本雄治/イラスト 盛口満
岩崎書店
発行:2008年09月
価格:1,470円(税込)
森には葉っぱを食べる虫や、木々を食べる虫がいます。しかし、彼らのせいで森が枯れることはありません。それは何故なのか、雑木林や森の仕組みから考える絵本です。
選定基準:(1)(2)(3)(5)
森はだれがつくったのだろう?
著 ウィリアム ジャスパソン/イラスト チャック エッカート
原著 William Jaspersohn、Chuck Eckart/訳 河合雅雄
童話屋
発行:1992年03月
価格:1,365円(税込)
200年前、農夫一家が去ってからそれは始まり、2年後、3年後、5年後…10年後、100年後、200年後と、長い年月をかけて生き物と樹木と自然が関わり、荒地が森に成長するまでを静かに丁寧に描いた絵本です。
選定基準:(1)(5)(6)
もったいないばあさんと考えよう 世界のこと 生きものがきえる
著 真珠 まりこ
講談社
発行:2010年05月
価格:1,050円(税込)
生きものたちが絶滅する問題と私たちのくらしとのつながり、そして、生物多様性を子どもたちにもわかりやすく伝える本です。
選定基準:(1)(5)(6)
もうひとつのどうぶつえん 絶滅どうぶつものがたり
構成、絵、立体制作 宮川アジュ/文 富田朋子/監修 今泉忠明
ひさかたチャイルド
発行:2009年09月
価格:1,680円(税込)
ドードー・ジャイアントモア・ニホンオオカミなど絶滅した10種の動物たちを紹介。もう会えない動物たちのことを知りながら、生物の事を考えます。
選定基準:(1)(2)(6)
マザーツリー
著 村田真一/イラスト 松岡達英
小学館
発行:1995年12月
価格:1,481円(税込)
植物の種類が多く、それゆえに昆虫が集まり、動物たちも暮らすことができるゆたかなブナの森は、日本独特のものと言われます。世界遺産条約にも登録された白神山地に立つブナの大木をめぐる、森の命の物語です。