令和元年6月20日 第9回「国連生物多様性の10年日本委員会」(UNDB-J)の開催結果について
6月20日(木)、原田環境大臣、二宮経団連自然保護協議会会長出席の下、第9回「国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)」が開催されました。
委員会では、UNDB-Jの成果・課題、ポスト2020目標に向けてUNDB-Jから提案する意見、昨年度の取組実績、今年度の計画及びこの10年間(2011年~2020年)における生物多様性に関する取組の成果を日本国内でつなげる「せいかリレー」について議論しました。
概要
1.開催日時
令和元年6月20日(木)13:45~15:45
2.開催場所
環境省第1会議室(中央合同庁舎5号館22階)
3.議題
- 最近の生物多様性に関する国際動向(報告)
- UNDB-Jの成果・課題について
- UNDB-Jからポスト2020目標に向けてCBD事務局に提出する意見(案)について
- 平成30年度実施結果について
- 令和元年度の事業実施計画及び財務状況について
- せいかリレーについて
議事のポイント
原田環境大臣挨拶
- 5月にはIPBESの地球規模評価報告書がまとめられ、社会の変容の必要性が指摘された。直後に開催されたG7環境大臣会合でも、生物多様性が大きく取り上げられ日本はコミュニケや生物多様性憲章の採択に貢献した。
- 先週末、長野県軽井沢で開催されたG20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合においても、生態系を基盤とするアプローチについて議論し、ポスト2020目標の検討に貢献していくことが、成果文書に位置付けられた。
- これらの議論を踏まえ、2020年に中国・昆明で開催予定のCOP15に向けて、愛知目標の下で行われてきた取組の発展・継続の必要性を国際社会に訴えていきたい。
- 来年は「国連生物多様性の10年」の最終年になるため、今年は、これまでの成果をしっかりととりまとめ、次の10年の方向性を検討していくことが重要となる。各委員のなお一層のお力添えをお願いする。
- 2010年に日本が主導して愛知目標を作り、その実施のために国内組織ができた。我が国は、経済界、自治体を含め、現場で対応される皆様でこの会を進められることはありがたい。
二宮経団連自然保護協議会 会長御挨拶
- 本年度は、「ポスト2020目標」の枠組み作りに関する国際的な議論に貢献することが求められる、極めて重要な一年間と認識している。
- 愛知目標の最終年に向けたラストスパートとして、生物多様性に関する国民レベルでの認知度向上や理解の増進に取組、生物多様性の主流化の更なる裾野拡大に向け、活動していく必要がある。
- 経団連としても、昨年10月に9年ぶりに「経団連生物多様性宣言・行動指針」を改定し、「自然共生社会の構築を通じた持続可能な社会の実現」を目指す理念を掲げ、「経営トップの責務」や「グローバル・サプライチェーンでの取組」にも言及している。また、「環境統合型経営」という新しい概念を打ち出し、幅広い環境活動と事業活動との統合を推進することを謳っている。
- 会員企業等を対象に、愛知目標採択前の2009年と2018年とを比較する形で行ったアンケートでは、経営理念等に生物多様性の概念を取り入れている企業が約8割と9年前と比べて倍増するなど、経済界において生物多様性の主流化が進展している状況が明らかになった。
- 昨年11月にエジプトで開催されたCOP14のビジネスフォーラムにおいて、これらを説明したところ、CBDやIUCNのトップからも高い評価を頂いた。
- 本日のUNDB-J委員会会合では、「ポスト2020目標」に向けた意見や、これまでの活動を国内に共有し次の活動に繋げる「せいかリレー」等について意見交換をお願いする。UNDB-Jの構成団体の皆様におかれては、引き続き愛知目標の達成に向け積極的に取組んでいただくとともに、わが国における活動や成果をいかに効果的に発信していくかについても御検討いただきたい。
最近の生物多様性に関する国際動向
事務局から、前回の委員会から今回委員会での1年間の生物多様性に関する国際動向として以下4点について報告。
- 生物多様性条約第14回締約国会議(COP14)の結果概要
- IPBES地球規模評価報告書概要
- G7環境大臣会合概要
- G20関係閣僚会合概要
UNDB-Jの成果・課題について
UNDB-Jの成果・課題のまとめ方について、方向性を議論し、今後幹事会及び運営部会で検討を進めていくことを確認した。
UNDB-J幹事会からポスト2020目標に向けてCBD事務局に提出する意見(案)について
ポスト2020目標に向けて、UNDB-Jから以下の2点に関する意見を生物多様性条約事務局に提出することを決定した。
- マルチステークホルダーによるプラットフォームの有効性
- 生物多様性を通じたSDGsへの貢献を目指す視点の重要性
平成30年度の実施結果について
平成30年度の事業実施結果について事務局から報告
<主な事業>
・100万人の「MY行動宣言」
平成30年度末時点:約22万宣言
・「生物多様性の本箱」300館プロジェクト
平成30年度末時点:193館
・「にじゅうまるプロジェクト」2020宣言
平成30年度末時点:902事業
・グリーンウェイブ2018
平成30年までの累計参加団体数:2891団体、植樹本数:約31万本
また、事務局から昨年度のロードマップに基づいた取組に関するフォローアップ結果について説明。
引き続き、各団体においてロードマップの更新とこれに基づく取組の推進について確認。
令和元年度の事業実施計画及び財務状況について
令和元年度の財務状況及び事業実施計画(案)について事務局から報告。令和元年度計画が了承された。
<主な事業>
○未来へつなぐ「国連生物多様性の10年」せいかリレーの実施
キックオフイベントはCOP10を開催した名古屋市において、愛知県、名古屋市と連携して開催。
○ロードマップに基づいた取組推進
・100万人の「MY行動宣言」
・「生物多様性の本箱」300館プロジェクト
・「にじゅうまるプロジェクト」2020宣言
・グリーンウェイブ2019 等
○2020年に向けた検討
10年間の成果の取りまとめ内容及び2020年以降について、UNDB-Jの様々な会合等を活用しながら、検討を進める。
せいかリレーについて
事務局からせいかリレーの概要について説明。その後に、生物多様性わかものネットワークより提案があり、引き続き、幹事会及び運営部会で検討していくことを確認した。
<参考>
○第9回「国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)」会議資料
下記の報道発表ウェブサイトから配布資料を確認いただけます。
(報道発表ウェブサイト)http://www.env.go.jp/press/106918.html
○国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)
2011年から2020年までの10年間は、国連の定めた「国連生物多様性の10年」です。生物多様性条約第10回締約国会議(2010.10愛知県名古屋市)で採択された、世界目標である「愛知目標」の達成に貢献するため、国際社会のあらゆるセクターが連携して生物多様性の問題に取り組むこととされています。
これを受け、愛知目標の達成を目指し、国内のあらゆるセクターの参画と連携を促進し、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する取組を推進するため、「国連生物多様性の10年日本委員会」(UNDB-J)が2011年9月に設立されました。環境省は、事務局を務めています。
(ウェブサイト)./
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