「国連生物多様性10年委員会(UNDB-J)10周年振り返りイベント」【開催報告】
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開催日時 | 令和3年3⽉10⽇(水)13:00〜17:00 |
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会場 | オンライン開催 |
主催等 | 国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J) 環境省 |
定員 | ライブ配信 約130人、同日中視聴回数460回 |
費用 | 参加無料 |
備考 |
3月10日(水)「国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)10周年振り返りフォーラム」
国連生物多様性の10 年日本委員会(UNDB-J)は愛知目標の達成を目指し、国内のあらゆるセクターの参画と連携を促進し、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する取り組みを推進するため、2011年9月に設立されました。
本イベントはUNDB-Jのこれまでの活動を振り返り、次の10年に繋げていくことを目的に同委員会の委員長代理である涌井史郎 東京都市大学名誉教授による基調講演、委員会参加団体からの10年間の成果報告、有識者を交えた2030年に向けてのパネルディスカッション等を行いました。
開催の模様は以下のページから、YouTubeでご覧いただけます。ぜひ、ご視聴ください。
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開催結果
1.開会挨拶
- 経団連自然保護協議会 会長 二宮 雅也 様
冒頭、二宮会長より「生物多様性への取組みは、現在世界が直面しているコロナ危機、気候変動とも密接に関連している。ポスト愛知目標でも引続き、多様な活動主体、マルチステークホルダーによる「連携・協働」が求められる。UNDB-Jでも検討を深める必要」とのご挨拶をいただきました。
- 環境副大臣 笹川博義
笹川環境副大臣からは、「寄付金や活動支援などの協力を通じ、活動を支えていただいた関係者の皆様に改めて感謝する。2021年は、COP15の開催など、生物多様性にとって重要な1年。さらなる機運の盛り上げや意識の醸成が必要」とのご挨拶がありました。
2.基調講演「「国連生物多様性の10年」が未来に その灯火を永遠にリレーできることを願って!」
UNDB-J 委員長代理、東京都市大学名誉教授
涌井史郎
- 日本の文化は自然共生の文化、生物多様性を尊重しながら風土ができあがっている。
- 我々は、愛知目標である2050年に自然と共生する世界に向けて、どうやってこのプラットフォームを継承するかという課題を持っている。
- パンデミックで冷え切った経済の再起を図るのに、社会的大変容を起こす必要がある。EUではグリーンリカバリーという考えが生まれている。
- このような社会で、自然を回復するといった政策がさらに主流化される必要がある。
3.有識者委員メッセージ
東京大学名誉教授
岩槻邦男委員
・人が生物多様性のひとつの要素であって、生物多様性を保全しなければならないということは、自分自身を守ることだという視点が重要。
・そのことを社会に向けての広報活動も進めていく必要がある。国際自然保護連合(IUCN)親善大使
シンガーソングライター
イルカ委員
・人間があって、自然があって、一方経済が回らないと生きていけない。そのバランスが重要。
・地球はひとつの大きないきものだと思って、人間が悪い細胞とならないよう変えていく必要がある。
・自然からの言葉に耳を傾けて、暮らしていきたい。北海道大学客員教授
小菅正夫委員
・動物園自体が実際の希少動物の保全に関して役割を果たすことができるんだということが、この10年で、多くの人が意識してくれてきた。
・動物園が担う生物多様性保全の活動について、国が目指す方向性と共有し、きちんと国民のものにするための大きな力になる。- 前千葉県知事、元IUCN副会長
堂本暁子委員
・国連生物多様性の10年を通じ、若者含めて広がったことは嬉しいが、これからがさらに重要。
・生物多様性は、温暖化とともに重要。そのことを認識している方はまだ少ない。
・生物多様性は、生き物同士のつながりであり、そのつながりゆえに私たちは生きていられる。
4.《第一部》この10年間の変化と成果
<UNDB-J構成団体からの成果報告>
河村 玲央 環境省 自然環境局 自然環境計画課 生物多様性主流化室 室長
長谷川雅巳 経団連自然保護協議会 事務局長
鳥羽 義人 生物多様性自治体ネットワーク/名古屋市環境局環境企画部長
佐藤 哲也 日本動物園水族館協会(JAZA)/神戸どうぶつ王国 園長
鶴田由美子 日本自然保護協会(NACS-J)参事
浅見 友里 生物多様性わかものネットワーク代表
<ディスカッション>
コーディネーター:
星野智子 地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)/環境パートナーシップ会議
事例発表者6名
- ハイレベルかつ社会的影響力がある方が委員として参加していること。多様な主体が参加したことで、セクター間での連携ができたことが成果につながった。
- ユースが参画したことが良かった。活動の拡がりにも寄与した。
- 市民レベルでやれることを広げていくことも重要で市町村の役割は重要である。
- 生きものの保護ではなく、ワンヘルスアプローチという観点からも、今後取り組んでいきたい。
- 各主体の力をうまく集約して、次の10年につなげていきたい。世界の動きについても共有し、何ができるか議論していきたい。
5.《第二部》2030年に向けて
<講師による話題提供>
道家 哲平 IUCN日本委員会 事務局長
五箇 公一 国立環境研究所 生態リスク評価・対策研究室 室長
川廷 昌弘 CEPAジャパン 代表
藤田 香 日経BP 日経ESG編集 シニアエディター、富山大学客員教授
<パネルディスカッション>
コーディネーター:道家 哲平 IUCN日本委員会 事務局長
講師3名
青田雄太郎 生物多様性わかものネットワーク
鳥居 敏男 環境省自然環境局長
- 気候危機管理も持続可能性のある管理をちゃんとすれば、ちゃんと生物多様性とセットになるはず。トレードオフではなく、全ては一軸としてしっかり議論してことが必要。
- 世代交代だけでなく、ユース世代の分野横断を進めて欲しい。できることは連携。より大きな声を届けたい。
- 地方創生組み合わせていくことが重要。生物多様性保全することが地域作りどう絡むか、SDGs的なイノベーションに結びつけていくべき。
- 「自分事」が今日のひとつのキーワード。暮らしに結びつけて、それぞれの人の行動を変えていく10年にしていきたい。