10月8日(月・祝) UNDB-J第8回生物多様性全国ミーティング&生物多様性自治体ネットワークフォーラムin鹿児島 【開催報告】
- 全国ミーティング
- 開催報告
開催日時 | 平成30年10月8日(月・祝)13:00~17:00 |
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会場 | 鹿児島市中央公民館 |
主催等 | 国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省、神戸市 |
定員 | |
費用 | |
備考 |
10月8日(月・祝) UNDB-J第8回生物多様性全国ミーティング
&生物多様性自治体ネットワークフォーラムin鹿児島 開催結果
環境省は、「国連生物多様性の10 年日本委員会(UNDB-J)」と鹿児島市とともに、10月8日(月・祝)に鹿児島市中央公民館(鹿児島県鹿児島市)において、「国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)第8回生物多様性全国ミーティング&生物多様性自治体ネットワークフォーラム」を開催しました。
本ミーティングは、国民の皆様に生物多様性の保全と持続可能な利用について理解を深め、行動につなげていただくことを目的に2011年より開催しています。
地球いきもの応援団である高木美保氏による講演のほか、明治維新から150年を数える今年は、「歴史・文化を支える生物多様性」をテーマとしたパネルディスカッション等を実施しました。
概要
開催日時 | 平成30年10月8日(月・祝)13:00~17:00 |
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会場 | 鹿児島市中央公民館 |
主催等 | 主催:国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省、鹿児島市 共催:生物多様性自治体ネットワーク |
出席者数 | 約350名 |
会場の様子 | 展示コーナーの様子 |
開催結果
1.開会挨拶
- 森本環境事務次官:
私たちの暮らしは、大気も食料も生物多様性の恵みで成り立っている。しかし今、生物多様性は大変な危機の状況にあり、2005年に国連が公表した「ミレニアム生態系評価」では、人類のせいで自然状態から100~1000倍の速度で滅びている。2010年に愛知県名古屋市で生物多様性COP10が開かれ、2050年までに自然と共生する世界の実現を目指す、その中間の目標として2020年までに生物多様性の損失を食い止める緊急的かつ包括的な活動をするという愛知目標を決めた。2011年にUNDB-Jを結成し、これを受けて全国各地様々な形でNPO・企業が活動をしている。その中でも大きなイベントとなるのがこの全国ミーティングで今年で第8回目となる。豊かな自然、雄大な桜島、温暖な気候、豊富な温泉、そして生物多様性の面からも非常に貴重な地域である鹿児島市において開催できることを本当にありがたく思う。生物多様性の保全と利用、国立公園を活かして引き続き地元の人々と連携して鹿児島の魅力を世界に伝えていきたい。 - 森鹿児島市長
明治維新150周年という大きな節目の年に、鹿児島の地で生物多様性に関する議論をしてもらえることは大変嬉しいことである。ここ鹿児島市は豊かな自然に恵まれている。将来世代に、より良い状況で受け継ぐための道しるべとして、生物多様性地域戦略を策定した。多種多様な生物が生息している桜島近港湾ジオパークの世界認定を目指して、ジオ資源の保全等の推進をしている。生物多様性を次世代に引き継ぐために何をしていけばいいか、議論が深まればと思う。大会の成果とともに、鹿児島の魅力もお土産として持ち帰って欲しい。 - 涌井UNDB-J委員長代理
SDGsが2015年に決定し、2030年までに「誰も取り残されない社会」を作り出すという目標を立て、それが生物多様性の主流化と関係しながら国際的な動きがどんどん強まっている。今までは経済の成長が幸せを具現化していたが、今は違い、もったいないという考え方で豊かさを求めるのではなく深めていく。自然をどのように観察し、どのように守るのかが非常に大事である。気候変動による災害の激甚化を、自然を盾にして守っていく、SATOYAMAイニシアチブという考え方は世界でも注目されつつある。次世代へ生物多様性を引き継げていけるようしっかりと考えていきたい。
森本 環境省環境事務次官 | 森 鹿児島市長 | 涌井 委員長代理 |
2.生物多様性キャラクター応援団共同宣言式
UNDB-Jキャラクター(中央から左) サトくんタヨちゃん 鹿児島市キャラクター(中央から右) 西郷どん |
UNDB-Jキャラクター「タヨちゃんサトくん」と鹿児島市キャラクター「西郷どん」が、今後協力して生物多様性に関する普及啓発に取り組むため「生物多様性キャラクター応援団共同宣言」を行いました。
3.講演
「命を感じて暮らす」
タレント 地球生きもの応援団 生物多様性リーダー 高木 美保 氏 |
生物多様性という言葉はなかなか電波に乗らず、まだまだ興味が薄いなと実感していて、その中でも、人はどうして他の生き物の命を大切にできないのだろうと自問自答していると話されました。農的な暮らしを那須高原でしていて、金銭的な価値よりも生きる喜びを優先している。また、3.11の被災地のペットたちを保護するため募金を集めている団体に出会った話もしていただきました。最後に、日本の自然に対する畏怖の気持ちが自然を守ることにつながっているとお話しされました。
4.UNDB-Jの取組について
環境省 生物多様性主流化室 室長 中澤 圭一 |
UNDB-Jが行っている様々な活動と愛知目標の達成期限である2020年に向けて、生物多様性の主流化をさらに加速しUNDB-Jの更なる取組の強化を行うために策定した「ロードマップ」について紹介しました。
5.UNDB-J認定連携事業 第12弾、第13弾 表彰式
IUCN-J 道家副会長 | UNDB-J認定連携事業 表彰式 |
UNDB-Jが推奨する連携事業を認定する意義・仕組み、第12弾、第13弾として認定された32事業について紹介され、当日出席いただいた11団体に認定証が授与されました。
認定連携事業第12弾 ./authorization/authorization_year/2018-3-ikimono/
認定連携事業第13弾 ./authorization/authorization_year/2018-9/
6.事例発表(神戸の海、山、川等、各地域で活動する団体による)
地元鹿児島市で、生物多様性に関する取組をされている3団体から、活動内容について説明がありました。
天文館みつばちプロジェクト ・W e Love 天文館協議会 松本 功次郎氏 |
自然環境について学び考えることを目的に、天文館でみつばちを飼育している。とれた蜂蜜を販売して鹿児島・天文館の魅力を発信もしている。みつばちの生態を通じて、生物多様性のことについて学んでいるという紹介をして頂きました。
桜島どんぐりころころ植樹祭実行委員会 前田久男氏 |
伊地知 舞さん、南 亜衣梨さん |
桜島どんぐりころころ植樹祭は、緑の少年団が参加し、鹿児島のシンボルである桜島に植樹する苗を育て、現地の下草刈りまでを実施する活動だと紹介していただきました。実際に参加した伊地知さん、南さんは植樹活動を通じて森林の役割などを学べたと、話されました。
鹿児島市立西伊敷小学校 岩切 敏彦先生 6年生 内ノ倉歩理さん、原之園栞由さん、 5年生 今村 詠さん、逆瀨川瑠伽さん、萬徳咲海さん |
先生と一緒に、生物多様性について学ぶ授業を受けるという設定で、「こどもエコクラブ」の活動、プールの生き物調査&救出作戦や、絵画コンテスト、校区いきもの調査で生物多様性について学んだことについて紹介していただきました。
7.パネルディスカッション
テーマ:「歴史・文化を支える生物多様性」
(コーディネーター)
星野 一昭 氏(鹿児島大学特任教授)
(パネリスト)
原口 泉氏(志學館大学教授)
東川 隆太郎 氏(まちづくり地域フォーラム・かごしま探検の会代表理事)
寺田 仁志 氏(文化庁文化財部調査員、環境カウンセラー)
村山 雅子 氏(かごしま市民環境会議理事長)
中澤 圭一(環境省 生物多様性主流化室 室長)
鹿児島の歴史・文化と生物多様性はどのような関係を持っているのかを議論しました。
飛行機や船など交通が不便だが、それが生物多様性を育む要因にもなっていて、島毎に風景や言葉や生き物が多様に存在している。畏怖の念や崇拝する聖地があることによって豊かな生態系が生まれている。
今後、生物多様性をどう守っていくかとについて「環境を守ることが仕事になって欲しい」、「歴史に学びながら環境を考えて欲しい」、「聖地となり、守られている自然の意味や価値を後世に伝えていかないといけない」といった意見がでていました。
コーディネーター 星野 一昭 氏 鹿児島大学特任教授 |
志學館大学教授 原口 泉 氏 |
まちづくり地域フォーラム ・かごしま探検の会代表理事 東川 隆太郎 氏 |
文化庁文化財部調査員・ 環境カウンセラー 寺田 仁志 氏 |
かごしま市民環境会議 理事長 村山 雅子 氏 |
環境省 生物多様性主流化室 室長 中澤 圭一 |
8.閉会挨拶
名古屋市環境局環境企画部 部長 武田 淳 氏 |
次回開催地の名古屋市から、「近世武家文化をアイデンティティとして市の発展をしている。名古屋の自然は南西部には藤前干潟があり、ゴミの埋立地として計画されていたが、設置を廃止し、市民協働でごみの量の削減をすることに決めた象徴的な土地がある。次回の全国ミーティングは、せいかリレーイベントの第一回として開催を予定している。充実したものにしていきたい」と挨拶いただきました。