国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)地域フォーラムin東京(開催報告)
- 地域セミナー
- 開催報告
開催日時 | 2017年2月2日(木)14:00~18:00 |
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会場 | TKP 東京駅大手町カンファレンスセンター (東京都千代田区大手町1-8-1 KDDI 大手町ビル 22F) |
主催等 | 主催:国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省 |
定員 | 約60名 |
費用 | |
備考 |
UNDB-J地域フォーラムin東京の開催結果について
国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省は、平成29年2月2日(木)に東京都にて、「国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)地域フォーラムin東京」を開催しました。
2011年から2020年までの10年間は、国連が定めた「国連生物多様性の10年」とされ、国際社会のあらゆるセクターが連携して生物多様性の主流化に向けた具体的な取組を行うこととなっています。
UNDB-J ロードマップの「目指すべき社会像」において、「認証商品等の環境に配慮した多種多様な商品・サービスを広げる。」ことの重要性が謳われていることからUNDB-J 構成団体、認定連携事業団体等のUNDB-J 関連団体を主な対象とした勉強会の位置づけとして、認証制度に関する基調講演、事例発表及びパネルディスカッションを行い、認証制度の重要性について理解を深めました。
概要
開催日時 | 2017年2月2日(木)14:00~18:00 |
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会場 | TKP 東京駅大手町カンファレンスセンター (東京都千代田区大手町1-8-1 KDDI 大手町ビル 22F) |
主催等 | 主催:国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省 |
出席者数 | 約60名 |
会場の様子 |
1.開会挨拶
- 冒頭、西山室長より、「本フォーラムはロードマップに掲げている「生物多様性に配慮した認証制度」に関して、私達がどのように向き合い取組んでいくのかを考えていくにあたり、まずは認証制度の現状を理解する、という事が目的。昨年のCOP13において、特に農林漁業及び観光業における生物多様性の主流化が主要テーマとして議論され、主流化に関する決議において、持続的に生産された商品、サービスのための認証スキームが盛り込まれた。UNDB-Jとしての今後の取組を改めて考える契機となるような、また、皆様の活動、取組のヒントとなるようなフォーラムになればと思う。」との挨拶がありました。
※ロードマップについては、環境省報道発表資料(http://www.env.go.jp/press/103121.html)からご確認ください。
環境省自然環境局 自然環境計画課 生物多様性施策推進室 室長 西山 理行 |
2.講演 「生物多様性保全を生活に取り込むツールとしての認証制度-認証リテラシーの普及をめざして」
宮崎大学産学・地域連携センター 大元 鈴子氏 |
「生産現場と消費地との距離は、地理的、感覚的、関係性において大きく離れているため、生産活動に関わる環境問題は、複雑な流通経路をたどるうちに軽視されるようになり、同時に生産物が持つ様々な価値も手元に届く時には薄れている。認証制度は、こういったモノの繋がりや、因果関係を考える一つのコンセプトとして重要。認証制度は環境を悪くしていない努力を誉め、その価値を広く伝えるもの。社会経済システムを変換したソーシャルイノベーションだ。これまでに全く無かったコンセプト。ここ20年程で少しずつ浸透し、文化になって来ている。」と講演されました。
3.事例発表 「認証制度に関して認証団体から具体的な事例紹介」
① FSC 認証
「FSC®森林認証制度について」
特定非営利活動法人 日本森林管理協議会(FSC®ジャパン) 事務局長 前澤 英士氏 |
FSC設立の背景や、FM認証、CoC認証の説明がありました。また、FSC認証を行う森林において労働者の社会環境が向上している事、生活水準・社会基盤も向上し地域社会へも貢献している事等の紹介がありました。最後に、違法伐採の木が国内へ入っている事に触れ、FSC認証の課題や今後の目標の紹介がありました。
② ASC 認証
「水産養殖管理協議会(ASC)認証とは」
公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン) 自然保護室 海洋水産グループ 前川 聡氏 |
冒頭で養殖業が関わる多様な問題に触れ、ASCはその課題の改善・解決をする事で、持続可能性や水産物への信頼性の向上を進めるための認証制度を管理する組織である、との説明がありました。そして、ASC認証の特徴や対象魚種、取得した養殖場の紹介があり、具体的な事例として宮城県漁協志津川支所における取組の紹介がありました。
③ 企 業
「持続可能な社会の実現をめざして イオンの環境・社会の取り組み」
イオン株式会社 グループ環境・社会貢献部 部長 金丸 治子氏 |
イオンの基本理念や「サステナビリティ基本方針」「イオン生物多様性方針」「イオン持続可能な調達原則」等の紹介がありました。また、認証商品を陳列する「FishBaton」コーナーを設けている事や、FSC認証の取組等、様々な活動の紹介がありました。
4.パネルディスカッション
テーマ:「UNDB-J ロードマップを踏まえ、認証制度を広く普及させるために、今後構成団体は何に取り組むべきか」
(コーディネーター)
大元 鈴子氏(宮崎大学産学・地域連携センター)
(パネリスト)
前澤 英士氏(特定非営利活動法人日本森林管理協議会(FSC®ジャパン)事務局長)
前川 聡氏(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン) 自然保護室 海洋水産グループ)
金丸 治子氏(イオン株式会社 グループ環境・社会貢献部 部長)
認証制度に関する消費者の反応や、国内で導入するうえでの現状と課題、ビジネスに結び付けていくための方法等について話し合いました。続いて、他のセクターとの連携や、教育分野へのアプローチ、途上国の方とのつながり、そもそも誰が認証コストを負担するのかといった事について議論を行い、会場の参加者と認証制度の認知度の問題や、省庁間とのコラボレーションの動き等について、活発な意見交換がありました。