国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)地域フォーラムin岡山・岡山市生物多様性地域戦略タウンミーティング(開催報告)
- 地域セミナー
- 開催報告
開催日時 | 2016年11月25日(金)13:00~17:00 |
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会場 | 岡山国際交流センター 8Fイベントホール(岡山市北区奉還町2-2-1) |
主催等 | 主催:国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省、岡山市 |
定員 | 約60名 |
費用 | |
備考 |
UNDB-J地域フォーラムin岡山・岡山市生物多様性地域戦略タウンミーティングの開催結果について
国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省及び岡山市は、11月25日(金)に岡山市において、牛場中国四国地方環境事務所長、繁定岡山市副市長らの出席の下、「国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)地域フォーラムin岡山・岡山市生物多様性地域戦略タウンミーティング」を共同で開催しました。
UNDB-Jは本年10月に、愛知目標の達成期限である 2020年に向けて、更なる取組の強化を行うため、UNDB-Jとして目指すべき社会像を再度確認・共有し、その社会像に向けた具体的取組や数値目標を含む「UNDB-J ロードマップ」をとりまとめて公表しました。
本フォーラムでは、ロードマップ策定の背景や国際的な動向に関する講演、ロードマップの目指すべき社会像に対応した取組事例の発表、岡山市で策定中の「岡山市生物多様性地域戦略」についての説明を行い、参加者の皆さんと生物多様性の主流化に向けた今後の取り組みや連携の可能性についての意見交換を行いました。
概要
開催日時 | 2016年11月25日(金)13:00~17:00 |
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会場 | 岡山国際交流センター 8Fイベントホール(岡山市北区奉還町2-2-1) |
主催等 | 主催:国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省、 岡山市 |
出席者数 | 約60名 |
会場の様子 |
開催結果
1.開会挨拶
- 冒頭、牛場中国四国地方環境事務所長より、「当事務所でも岡山平野の3大河川の流域を中心に生息するアユモドキ、スイゲンゼニタナゴ等の淡水魚の保全について、県や流域の市町村、保護団体の皆さんと連携して取組んでいる所。岡山市生物多様性地域戦略タウンミーティングとの共催ということで、本日の議論が岡山市で進めておられる生物多様性地域戦略の策定にむけた原本に資する物となる事を期待する。」との挨拶がありました。
- 本ミーティング開催地である岡山市の繁定副市長からは、「本市は人口70万人を有する政令市だが、約7割を農地や里山が占めており、都心を流れる宇治川にはホタルが生息するなど、都市と自然、都市と生き物が近いのが魅力。多様で豊かな自然環境を将来に引継ぎ、持続可能な社会を形成するため、生物多様性地域戦略を策定中。本市の地域特性に適した戦略を策定し、多様な主体の連携の下、生物多様性の主流化に向けた取組を強化し、UNDB-Jのロードマップはもちろん、愛知目標の達成にも貢献していきたい。」とのご挨拶がありました。
牛場 所長 | 繁定 副市長 |
2.講演 「国連生物多様性の10年、これまでの5年、これからの5年」
国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)副会長 UNDB-J委員 道家 哲平 氏 |
「これまでの5年間で、「生物多様性」はすごい広がりを見せている。これからの5年間は、動き出した分野は着実に進むし、2020年には愛知ターゲットが評価・見直しされ、北京ターゲットのような物が出来るだろう。最悪のシナリオは日本が影響力を発揮できない事。より多くのセクターで主流化を推進し、セクター間の壁を超えた連携による取組のスケールアップ、優良事例の国内外への発信等を行い、2020年は愛知ターゲットの評価とともに次の10年へのスタートアップとして盛り上がりを作っていかなければ。」と講演されました。
3.UNDB-Jロードマップの説明
環境省自然環境局 自然環境計画課 生物多様性施策推進室 室長補佐 鈴木 宏一郎 |
国連生物多様性の10年日本委員会は、主流化の取組を更に加速するため、UNDB-J及び各構成団体の2020年までの目標と具体的取組をまとめた「ロードマップ」を発表しました。ロードマップの概要や、「目指すべき社会像」、「取組の方向性」等の説明がありました。
※ロードマップについては、環境省報道発表資料(http://www.env.go.jp/press/103121.html)からご確認ください。
4.事例発表 「UNDB-Jロードマップ目指すべき社会像に対応した取組事例の発表」
① 生物多様性に配慮した消費活動・産業活動の普及
「小売業が出来る「教育貢献」」
イオントップバリュ(株)マーケティング本部 有本 幸泰 氏 |
「小売業は平和産業である」というイオンの基本理念や、自然資源の持続可能性と事業活動の継続的発展の両立を目指した「イオン持続可能な調達原則」の紹介がありました。また、消費者教育の概要や、ESDへの取組み等についてもお話がありました。
② 自然とふれあうライフスタイルの一般化
「自然とふれあうライフスタイルの一般化に向けた取り組み事例」
半田山植物園園長 猪 雅人 氏 |
半田山植物園の概要や、園内の見所についての紹介がありました。続いて、「普段あまり家から出ない子ども、植物や自然にあまり興味のない人々にもぜひ来て欲しい」という考えの下に取組んでいる、多様な観察会やイベント、企画展の紹介がありました。
③ 自然あふれる都市空間の創造
「西川緑道公園について」
(公財)岡山市スポーツ・文化振興財団常務理事 岡山市まちづくりアドバイザー 石田 尚昭 氏 |
西川緑道公園の概要や歴史、生息する珍しい魚等の説明がありました。続いて、「西川魅力にぎわい創出事業」として行っている、お祭りやキャンドルナイト、イルミネーション等のイベントの紹介があり、最後に大学や市民と連携して取組む町作りの取組についてお話がありました。
④ 生物多様性に配慮した農林漁業を通じた地域活性化
「おかやま大野ダルマガエル保全プロジェクトについて」
株式会社ウエスコ 環境計画事業部 齊藤 光男 氏 |
まず、ダルマガエルの生態や、絶滅の危険度に関する説明がありました。続いて、具体的な対策として行っている個体の保護移動や保護水田の管理と環境教育、生息地での稲作支援としてお米をブランド化しており、その新米を小学校の給食として提供している事等のお話がありました。
5.岡山市生物多様性地域戦略の説明
岡山市環境局環境保全課 山田 瑞希 |
地域戦略を策定する目的やその位置付け、岡山市の生物多様性に関する現状と課題について紹介がありました。続いて、岡山市生物多様性地域戦略の基本方針やその目標、主体別の役割や今後の展開等について説明がありました。
6.ワークショップ
テーマ:「地域における生物多様性の主流化に向けた今後の取り組みや連携の可能性について」
- 参加者に、①生物多様性に配慮した消費活動・産業活動の普及、②自然とふれあうライフスタイルの一般化、③自然あふれる都市空間の創造、④生物多様性に配慮した農林漁業を通じた地域活性化、の4つのグループに別れて頂き、ワークショップを実施しました。
- 「既に実施している事」「今後実施出来そうな事」を共有して頂き、その取組に対する課題を話し合いました。そして、その課題を解決するために、自分の団体が出来る事、他の団体が出来る事、連携したい事を書き出して頂きました。
- 最後に、各グループで得られた結論を代表者が発表することで、参加者の意見を共有しました。
ワークショップの様子 |
グループ発表 |