Interview:生物多様性リーダー
イルカシンガーソングライター/絵本作家/IUCN国際自然保護連合親善大使
生物多様性についてご自身が生活の中で大切にされていることや、特に意識されていることについて教えて下さい。
幼い頃から心の中でいつも自問自答して来たのは「なぜ、人間だけが偉いと皆が言うのだ。」と言う事でした。動・植物が大好きな私にとって「自分が人間である事が悲しくてならない、申し訳ない」と思わざるを得ない事にも沢山、遭遇してきました。「皆おなじ。尊い命」と思っていたからです。「人間が偉い」と言うのならお手本になるような生き方をすべきではないでしょうか。人類の進むべき道はこれで良いのでしょうか?
「森羅万象からのメッセージがいつも届く心の持ち主である事」それが私の求めてやまない人としての生き方です。ご先祖様から受けた叡智や愛を未来の子供たちに手渡せるような暮らしぶりを日々、大切に宇宙のかけらとして生きています。
いま、取り組まれている具体的な生物多様性に関する取組があれば、教えて下さい。
2004年IUCNの親善大使として就任してからはより具体的に活動を進めています。
コンサートツアーでは「生物多様性」にも必ず触れ歌っています。又、幅広いジャンルのゲストを招いての「イルカwithフレンズ」コンサートVol.8や名古屋でもCOP10以来コンサートが定例化し今秋は3回目を迎えます。各会場では募金箱を設置し活動資金としてIUCNと子供たちへ贈らせて頂いています。講演会やテレビ、ラジオのゲストや取材の折もお話をして来ました。
年は学校からの希望で被災地の石巻でも小学校で「生物多様性」の授業をしました。
今後は「和」のジャンルにも「生物多様性」を取り入れたいと、京都の染色家に弟子入りする予定です。
生物多様性を身近に感じるために、参考となる書籍、映画、ゲーム、グッズ等についてお勧めがありましたら教えて下さい。
2010年に「生物多様性」を解り易く。との願いを込めてDVD「地球生きもの いのちのつながり~生物多様性」を堂本暁子さんのお声掛けで作りました。私はナレーションとナビゲーターをつとめています。30分、15分バージョンがあり学校などに無料配布しました。冊子もCOP10会議に合わせ作りましたが配布終了しています。テレビオンエアもされました。
自作品で恐縮ですが、「生物多様性」を広い世代に知って頂く為に2010年に作品を発表しました。絵本『「まあるい いのち」絵とお話 イルカ(小学館)』『CDアルバム「森羅万象」作 歌イルカ(日本クラウン)』です。
誰もが取り組める生物多様性を大切にする行動はどのようなことだと思われますか。
「生物多様性」イコール「命」ですから全ての物を愛しむ心を失くさないように育てて行きましょう。
あなたとあなたの直ぐ隣にある物をよく見て下さい。家族・お隣・地域・国・地球・宇宙と広がって行きますね。それを壁と思うのでは無く、違うこともお互いに尊重し合える目を持ちましょう。
又、お年寄りがいらしたらどんなお話でも、昔のお話を聞かせて頂きましょう。
読者の皆さんへメッセージをお願いします。
「この地球は大きな生き物」といつも思っています。だから「私たちはその中に生きる細胞同士」ですね。
細胞ひとつが病めばそれが広がってしまいます。私達は皆が影響し合って繋がって生きているのです。
「東日本大震災」で大きな傷を受けた日本ですが沢山の国の皆さんが心を寄せて下さっています。私も生涯を通じて被災地の皆様と「共に生きる・・・この時を」。この心を持って生きて行こうと思っています。
魂を育ててくれた森羅万象への恩返しがいつか出来るように。