UNDB-J 第5回生物多様性 全国ミーティング(開催報告)
- 全国ミーティング
- 開催報告
開催日時 | 2015年11月6日(金)13:00~17:00 |
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会場 | ピアザ淡海(おうみ)ホール (滋賀県大津市におの浜1-1-20) |
主催等 | 主催:国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省 共催:生物多様性自治体ネットワーク、滋賀県 |
定員 | |
費用 | |
備考 |
UNDB-J第5回生物多様性全国ミーティングの開催結果について
「国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)」と環境省は、11月6日(金)に滋賀県大津市において、鬼木環境大臣政務官、三日月滋賀県知事らの出席の下、「第5回生物多様性全国ミーティング」を開催しました。
東京都市大学教授でUNDB-J委員長代理である涌井史郎氏による基調講演や、UNDB-Jキャラクター「タヨちゃんサトくん」と滋賀県キャラクター「キャッフィー」による「生物多様性キャラクター応援団共同宣言式」、委員会が推奨する認定連携事業の表彰、生物多様性アクション大賞の各部門賞取組紹介、生物多様性に関する活動紹介等を行いました。
また、今年は国連生物多様性の10年の中間年を迎えたことを踏まえ、UNDB-J中間評価とロードマップについての報告を行い、企業、NPO、地方自治体、国のそれぞれの立場で、愛知目標の達成に向けて「これから私たちがすべきこと」をテーマにパネルディスカッションを実施しました。
概要
開催日時 | 2015年11月6日(金)13:00~17:00 |
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会場 | ピアザ淡海(おうみ)ホール (滋賀県大津市におの浜1-1-20) |
主催等 | 主催:国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省 共催:生物多様性自治体ネットワーク、滋賀県 |
出席者数 | 約180名 |
会場の様子 | 生物多様性キャラクター応援団 共同宣言式 |
開催結果
1.開会挨拶
- 冒頭、鬼木環境大臣政務官より、「生物の多様性の確保は、世界単位の取組だけでなく、国民一人一人の取組で実現していく必要がある。一人一人が意識を変え、生物多様性に関する取組に着手するきっかけとなることが、今日の大会の大きな意味になる。また、先の国会で成立した琵琶湖の保全及び再生に関する法律に基づき、滋賀県とともに美しい琵琶湖をつくる取組を進めて参りたい。」との挨拶がありました。
- 本ミーティングの開催地である滋賀県の三日月知事からは、「琵琶湖は日本最大の湖であると同時に国民的資産であるが、課題が多くあることから、先の国会で琵琶湖の保全及び再生に関する法律を成立していただいた。県においてもしっかりと計画を立てて、次の世代のためにこの琵琶湖の保全に尽力をしていきたい。琵琶湖だけでなく、琵琶湖の周りの平野、川、山々その集水域も含めた生物多様性を皆様方としっかりと保全をしていきたい。」とのご挨拶がありました。
鬼木 環境大臣政務官 | 三日月 滋賀県知事 |
2.生物多様性キャラクター応援団共同宣言式
UNDB-Jキャラクター(中央から左) サトくんタヨちゃん 滋賀県キャラクター(中央から右) キャッフィー |
UNDB-Jキャラクター「タヨちゃんサトくん」と滋賀県キャラクター「キャッフィー」が、今後協力して生物多様性に関する普及啓発に取り組むため「生物多様性キャラクター応援団共同宣言」を行いました。
3.基調講演 「生物多様性から見た未来の国土像」
UNDB-J委員長代理 涌井 史郎 氏 |
「一億年前から繰り返されてきた生命の循環により作り上げられた自立的な生命圏が、産業革命以降の人間の活動で破壊されてしまった。地球の表面にある生物の多様性は、実はひとつの生命体であると認識すべき。地球の限界を認識し、将来世代を見据え、バックキャストの考え方で、第三の革命・環境革命に到達しなければならない。UNDB-Jは様々なステークホルダー、多くの企業や自治体、市民と連携しながら、生物多様性の主流化を目指していく必要がある。」と講演されました。
4.UNDB-J 感謝状授与式
UNDB-J委員長代理 涌井 史郎 氏 一般財団法人 セブン-イレブン記念財団 兵庫・京滋地区理事 藤田 喜生 氏 九重ふるさと自然学校 代表 川野 智美 氏 |
UNDB-Jが主催する生物多様性アクション大賞に継続してご支援をいただいている、一般財団法人セブン-イレブン記念財団に感謝状が授与されました。
5.UNDB-Jによる取組発表・各事業の表彰等
① UNDB-J認定連携事業 第6弾、第7弾 表彰式
IUCN-J 吉田 会長 | UNDB-J認定連携事業 表彰式 |
UNDB-Jが推奨する連携事業を認定する意義・仕組み、第6弾、第7弾として認定された20事業について紹介され、当日出席いただいた11団体に認定証が授与されました。
認定連携事業第6弾 ./authorization/authorization_year/2015-6/
認定連携事業第7弾 ./authorization/authorization_year/2015-10/
② UNDB-J認定連携事業第6弾「イオンの取り組み~持続可能な社会の実現をめざして」
イオン株式会社 グループ環境・社会貢献部 椛島 裕美枝 氏 |
認定された団体を代表して、イオン株式会社から、イオン生物多様性方針・イオン持続可能な調達原則に基づき進めている、MSC(海洋管理協議会)、ASC(水産養殖管理協議会)、FSC(森林管理協議会)認証商品の販売、FSC認証木材を使用したコンビニエンス店舗の展開、イオンふるさとの森づくりなどについて紹介がありました。
③ UNDB-J関連企業の取組「積水樹脂グループ 環境活動のご紹介」
積水樹脂株式会社 技術開発部門担当 執行役員 若山 浩司 氏 |
UNDB-Jの活動に長年にわたりご支援いただいている積水樹脂株式会社から、廃プラスチック・廃木粉を主原料としたウッドデッキ材、ソーラー関連製品などの環境調和型製品の開発・普及の取組み、工場の土地開発段階から希少種エリアを設定して展開している希少動植物の保全活動、社員が取組む各地の森林保全活動、琵琶湖のヨシ刈り等の取組紹介がありました。
④ 生物多様性アクション大賞2015 各部門賞発表・取組紹介
一般社団法人CEPAジャパン 代表 UNDB-J委員 川廷 昌弘 氏 |
総数135件の応募活動の中から選ばれた、「たべよう」「ふれよう」「つたえよう」「まなぼう」「えらぼう」の各部門の優秀賞をはじめ、各賞の受賞者を発表しました。12月11日の授賞式典において、優秀賞受賞者によるプレゼンテーションを経て大賞を決定します。受賞結果は以下をご参照ください。
http://5actions.jp/award/result.html
⑤ 生物多様性アクション大賞(2014・つたえよう部門優秀賞)
「渋川いきものがたり」~ふるさとのすばらしさを伝えよう
渋川いきものがたり作成支援委員会 草津市立渋川小学校 教諭 中村 大輔 氏 |
子どもたちが地域の生きものを調べ、絵図や紙芝居を制作し、地域の宝として発表するという活動の様子について紹介がありました。また、地域住民や行政、研究機関、保護者が活動を支え、地域の生物多様性の確保を目指すと同時に、子どもを中心に据えた「持続可能なまちづくり」の活動であるとの紹介がありました。ロビーには完成した絵屏風も展示されました。
6.地元自治体の取組「琵琶湖の保全に向けて」
滋賀県 琵琶湖環境部 自然環境保全課 課長 信田 繁治氏 |
琵琶湖が直面する生物多様性を脅かす様々な課題と緊急の取組について説明がありました。外来魚駆除作業の成果によりオオクチバス・ブルーギルは10年で半減している状況にある一方、侵略的外来水生植物のオオバナミズキンバイ・ナガエツルノゲイトウについては、膨大な面積を除去した後も再び繁茂が見られており、予断を許さない状況にあることについて説明がありました。今年9月に成立した「琵琶湖再生法」と「生物多様性しが戦略」の着実な推進を図っていくとの説明がありました。
7.UNDB-J中間評価とロードマップについての報告
環境省 自然環境局 自然環境計画課 生物多様性施策推進室 室長 堀上 勝 |
国連生物多様性の10年の中間年を迎えるにあたり取りまとめた、UNDB-Jのこれまでの取組の成果と課題を中間評価として発表しました。そして主流化の取組をさらに加速するために、UNDB-J及び委員の2020年までの目標と具体的取組をまとめたロードマップを来年5月までに作成するとの説明がありました。中間評価については、以下をご参照ください。
./news/2144/
8.パネルディスカッション
テーマ:「国連生物多様性の10年中間年を迎えて」~これから私たちがすべきこと~
(コーディネーター)
川廷昌弘 氏(一般社団法人CEPAジャパン代表/UNDB-J委員)
(パネリスト)
吉田 正人 氏(国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)会長/UNDB-J委員)
椛島 裕美枝 氏(イオン株式会社 グループ環境・社会貢献部)
中村 大輔 氏(渋川いきものがたり作成委員会/草津市立渋川小学校 教諭)
信田 繁治 氏(滋賀県 琵琶湖環境部自然環境保全課 課長)
堀上 勝(環境省 自然環境局自然環境計画課生物多様性施策推進室 室長)
2020年までの各組織による生物多様性に関する取組、取組を進めるにあたっての課題、課題解決に向けた具体的な行動について話し合いました。また、会場の参加者にも課題について議論してもらいました。最後に、「誰もが活用できるプラットフォームであり、主体的に行動するプラットフォームであるUNDB-Jをもっと活用して、みんなで、地球のいのちをつないでいきましょう!」というメッセージを会場の全員で共有しました。
9.閉会挨拶
生物多様性自治体ネットワーク加盟自治体であり、次回開催地の岐阜県から「来年度、全国ミーティングを岐阜県で開催することによって、岐阜県の生物多様性の取組の推進につなげたい。またUNDB-Jでの取組の推進に役立つと期待する。」との挨拶がありました。
10.展示の様子
【参考】
○「国連生物多様性の10年日本委員会」(UNDB-J)
2011年から2020年までの10年間は、国連の定めた「国連生物多様性の10年」です。生物多様性条約第10回締約国会議(2010.10愛知県名古屋市)で採択された、新たな世界目標である「愛知目標」の達成に貢献するため、国際社会のあらゆるセクターが連携して生物多様性の問題に取り組むこととされています。
これを受け、愛知目標の達成を目指し、国内のあらゆるセクターの参画と連携を促進し、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する取組を推進するため、「国連生物多様性の10年日本委員会」(UNDB-J)が2011年9月に設立されました。環境省は、事務局を務めています。
(ウェブサイト)
○生物多様性キャラクター応援団
国民一人ひとりに生物多様性に対する認知や理解を広げ、国民運動として取組を促進するため、2012年9月に旗揚げした、現在100体を超える広報組織です。広く様々なキャラクターからの入団申請を募集中です。セミナー等における「生物多様性キャラクター応援団共同宣言式」の実施、生物多様性マガジン「Iki・Tomo(イキトモ)」での情報発信など、積極的な広報活動を行っています。
(ウェブサイト)
○MY行動宣言 5つのアクション、生物多様性アクション大賞
国民一人ひとりが生物多様性との関わりを自分の生活の中でとらえることができるよう、UNDB-Jは、5つのアクションの中から自らの行動を選択して宣言する「MY行動宣言シート」の活用を広く呼びかけています。
(ウェブサイト)
また、2013年度に創設された「生物多様性アクション大賞」は、全国各地で行われている5つのアクションに取組む団体・個人を表彰し、生物多様性の主流化に貢献するものです。2014年度より、UNDB-J主催、一般財団法人セブン-イレブン記念財団共催にて実施しています。
(ウェブサイト)http://5actions.jp/award/
○UNDB-J認定連携事業
各セクターの参加と連携を促進するため、「にじゅうまるプロジェクト」の登録事業等の中から、UNDB-Jが推奨する連携事業を認定しています。
UNDB-J認定連携事業については、UNDB-Jのロゴマークをご使用いただけるとともに、UNDB-Jとしても生物多様性全国ミーティングや生物多様性地域セミナー等において紹介するなど、積極的な広報活動を展開しています。
(ウェブサイト)