UNDB-J 第4回生物多様性 全国ミーティング&生物多様性自治体フォーラム(開催報告)
- 全国ミーティング
- 開催報告
開催日時 | 2014年10月24日(金)14:00~17:30 |
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会場 | 穂の国とよはし芸術劇場プラット (愛知県豊橋市西小田原町123) |
主催等 | 主催:国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省、愛知県 共催:生物多様性自治体ネットワーク、豊橋市 |
定員 | |
費用 | |
備考 |
UNDB-J第4回生物多様性全国ミーティング&生物多様性自治体フォーラムの開催結果について
「国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)」と環境省は、10月24日(金)に愛知県豊橋市において、鈴木環境事務次官、大村愛知県知事、岩槻UNDB-J委員、佐原豊橋市長らの出席の下、「第4回生物多様性全国ミーティング」を開催しました。
地球いきもの応援団・生物多様性リーダーのさかなクンによる海の生きものに関する講演や、UNDB-Jキャラクター「タヨちゃんサトくん」と豊橋市キャラクター「トヨッキー、のんちゃん・ほいくん」による「生物多様性キャラクター応援団共同宣言式」、UNDB-J活動紹介、生物多様性アクション大賞の各部門賞取組紹介、委員会が推奨する認定連携事業の第5弾表彰などを行いました。
また同時開催の愛知県と生物多様性自治体ネットワークが主催する「生物多様性自治体ネットワークフォーラム」では、国や自治体のほか、企業、NPOの代表が愛知目標達成に向けたそれぞれの役割をテーマにパネルディスカッションを実施しました。
概要
開催日時 | 2014年10月24日(金)14:00~17:30 |
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会場 | 穂の国とよはし芸術劇場プラット (愛知県豊橋市西小田原町123) |
主催等 | 主催:国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省、愛知県共催:生物多様性自治体ネットワーク、豊橋市 |
出席者数 | 約430名 |
鈴木環境事務次官ご挨拶 | 式典での記念撮影 |
開催結果
開会挨拶
- 冒頭、鈴木環境事務次官より、「UNDB-Jでは愛知目標に向けた様々な取組みを進めており、先日、韓国で開催されたCOP12では各国に対して、国内委員会を設置して主流化に取組むよう呼びかけた」、「先日内閣府が行った世論調査では、COP10を契機に高まった生物多様性の認知度が低下しているということが明らかになった。更なる取組みを様々な関係者が連携し、一体となって進めていくべき」との挨拶がありました。
- 生物多様性自治体ネットワーク代表である愛知県の大村知事からは、「愛知目標で地方自治体は地域に根付いた活動を支援していく役割が期待されている。愛知県においても大学、企業、NPOなど様々な分野の皆様と連携しながら生態系ネットワークの形成に取組んでいる。本日午前中、伊良湖岬休暇村公園に「いらごささらパーク」を一部オープンした。かつてこの地域にあった砂丘を天地返しで復活し、海浜性植生の復元に取組んでいる。11月には名古屋でESDの世界会議が開催される。生物多様性と共生をする地域づくりを大いに進めていただきたい」とのご挨拶がありました。
- 続いて、岩槻UNDB-J委員より、「これまで多くの関係者のご協力のもとに生物多様性の主流化に向けての取組みを行ってきた。昨年度も各委員において計85の取組みを実施している。来年2015年は、国連生物多様性の10年の中間年にあたる。これを節目に委員会の活動を見直し、各主体の連携をさらに深め、愛知目標の達成に向けて取組みを加速させていただきたい」とのご挨拶がありました。
- 最後に、佐原豊橋市長から、豊橋市での開催に謝意が示され、「豊橋市は太平洋、三河湾から急峻な山まで多様性に富んだ自然を有し、『ごみゼロ運動』の発祥の地でもある。全小中学校がESDのユネスコスクールに申請し、汐川干潟の再生や表浜のウミガメ保護に取組んでいる。本会議の開催を機に活動の発展につながっていくことを願っている」旨のご挨拶がありました。
大村愛知県知事 | 岩槻UNDB-J委員 | 佐原豊橋市長 |
第1部 生物多様性全国ミーティング
1. 生物多様性キャラクター応援団共同宣言式
UNDB-Jキャラクター(中央から左)タヨちゃんサトくん 豊橋市キャラクター(中央から右)トヨッキー、のんちゃん・ほいくん |
UNDB-Jキャラクター「タヨちゃんサトくん」と豊橋市キャラクター「トヨッキー、のんちゃん・ほいくん」が、今後協力して生物多様性に関する普及啓発に取組むため「生物多様性キャラクター応援団共同宣言」を行いました。
2.UNDB-J 感謝状授与式
積水樹脂株式会社取締役 副社長執行委員武田 均 氏 |
UNDB-Jの活動に設立当初より支援をいただいている、積水樹脂株式会社に感謝状が授与されました。
3.講演 「さかなクンと海の生きものについて学ぼう」
さかなクン(地球いきもの応援団、生物多様性リーダー) |
海と川をつなぐ「鮎」、絶滅が心配される「トビハゼ」に関するイラストクイズを通じてそれぞれの生態を解説していただくとともに、愛知県の海に多いアサリ、クルマエビ、ガザミなどが、水中や海底の栄養を食べることで、水を浄化し富栄養化を防ぐ役割をしていることなどをお話しいただきました。
4.UNDB-Jによる取組発表・各事業の表彰等
①UNDB-Jの活動状況と生物多様性をめぐる最近の話題
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性施策推進室堀上室長 |
UNDB-Jが推進するアクション大賞、連携事業の認定、子供向け推薦図書「生物多様性の本箱」などUNDB-Jの活動状況のほか、「にじゅうまるプロジェクト」への登録や「生物多様性の本箱」寄贈事業への寄付協賛など、UNDB-Jの活動へのご協力をお願いしました。
②生物多様性アクション大賞 各部門賞取組紹介
生物多様性アクション大賞事務局一般社団法人CEPAジャパン代表 川廷昌弘氏 |
今年度からUNDB-J主催・一般財団法人セブン-イレブン記念財団共催で実施された、「MY行動宣言 5 つのアクション」に即した活動を表彰する生物多様性アクション大賞の取組みと、各部門の受賞活動について紹介されました。
③UNDB-J認定連携事業 第5弾 表彰式・事例紹介
UNDB-J認定連携事業事務局国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)事務局長 道家哲平氏 |
UNDB-Jが推奨する連携事業を認定する意義・仕組み・評価の概要、第5弾として認定された10事業について紹介されました。
事業名 | 団体名 | 地域 |
ラムサールサポーターズ | MS&ADインシュアランスグループ | 全国 |
森と命を繋ぐアニマルパスウェイの開発と普及(樹上性野生生物の保全) | アニマルパスウェイと野生生物の会 | 全国 |
環境出前授業「地球1個分で暮らすために」プロジェクト | 富士通株式会社 | 全国 |
自然観察指導員の養成 | 公益財団法人 日本自然保護協会 | 全国 |
外来種駆除等環境保全活動 | 一般社団法人 日本旅行業協会 | 全国 |
電機・電子LSBプロジェクト | 電機・電子4団体 環境戦略連絡会 生物多様性ワーキンググループ | 海外全国 |
丸の内地区における生物モニタリング調査と「丸の内生きものハンドブック」の発刊 | 三菱地所株式会社 | 関東 |
生きもの賑やか河北潟プロジェクト(田んぼ10年プロジェクト) | 特定非営利活動法人 河北潟湖沼研究所 | 北陸 |
穂の国森の出前授業&野外授業 | 穂の国森づくりの会 | 中部 |
にじゅうまるプロジェクト四国 | 四国生物多様性ネットワーク | 四国 |
UNDB-J委員・一般社団法人日本旅行業協会(JATA)理事長中村達朗氏より、出席いただいた8団体に認定証が授与され、認定団体を代表して、JATA中部事務局中島藤隆氏より、活動概要の紹介と今後の活動への抱負を発表いただきました。
第2部 自治体ネットワークフォーラム
パネルディスカッション:「愛知目標」達成に向けた地域の役割
~手をつなげば効果倍増! コラボレーションで進める生物多様性保全~
(コーディネーター) 岩槻邦男氏(UNDB-J委員・東京大学名誉教授) (パネリスト) 森岡仙太氏(愛知県副知事) 小林哲喜氏(川崎市環境局長) 城川 隆氏(横浜ゴム株式会社新城工場長) 森田 実氏(NPO法人穂の国森づくりの会事務局長) 鳥居敏男氏(環境省自然環境局自然環境計画課長) |
地域活動を効果的、効率的に行うためには、「つながり」、「コラボレーション」が重要である、という観点から、各パネリストより生物多様性「愛知目標」達成に向けた取組みが紹介されました。コーディネーターの岩槻氏からは、「各セクターの活動にとどまっていては限界が来るが、まさしく “手をつなげば効果倍増”。各セクターのつなぎ方、方向が見えてきたのではないか。今回をきっかけに認識を高め、成果を共有してほしい」とのコメントがありました。
6.閉会挨拶
滋賀県琵琶湖環境部理事員小林 泉氏 |
最後に、生物多様性自治体ネットワーク副代表、次回開催地の滋賀県から、「生物多様性を推進する仲間が集まり心強い機会となった。来年もご参加いただき、琵琶湖ならではの恵みを体感していただきたい」とのご挨拶がありました。
【参考】
○「国連生物多様性の10年日本委員会」(UNDB-J)
2011年から2020年までの10年間は、国連の定めた「国連生物多様性の10年」です。生物多様性条約第10回締約国会議(2010.10愛知県名古屋市)で採択された、新たな世界目標である「愛知目標」の達成に貢献するため、国際社会のあらゆるセクターが連携して生物多様性の問題に取り組むこととされています。
これを受け、愛知目標の達成を目指し、国内のあらゆるセクターの参画と連携を促進し、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する取組を推進するため、「国連生物多様性の10年日本委員会」(UNDB-J)が2011年9月に設立されました。環境省は、事務局を務めています。
(ウェブサイト)
○生物多様性キャラクター応援団
国民一人ひとりに生物多様性に対する認知や理解を広げ、国民運動として取組を促進するため、2012年9月に旗揚げした、現在100体を超える広報組織です。広く様々なキャラクターからの入団申請を募集中です。セミナー等における「生物多様性キャラクター応援団共同宣言式」の実施、生物多様性マガジン「Iki・Tomo(イキトモ)」での情報発信など、積極的な広報活動を行っています。
(ウェブサイト)
○MY行動宣言 5つのアクション、生物多様性アクション大賞
国民一人ひとりが生物多様性との関わりを自分の生活の中でとらえることができるよう、UNDB-Jは、5つのアクションの中から自らの行動を選択して宣言する「MY行動宣言シート」の活用を広く呼びかけています。
(ウェブサイト)
また、2013年度に創設された「生物多様性アクション大賞」は、全国各地で行われている5つのアクションに取組む団体・個人を表彰し、生物多様性の主流化に貢献するものです。今年度より、UNDB-J主催、一般財団法人セブン-イレブン記念財団共催にて実施しています。
(ウェブサイト)http://5actions.jp/award/
○UNDB-J認定連携事業
各セクターの参加と連携を促進するため、「にじゅうまるプロジェクト」の登録事業等の中から、UNDB-Jが推奨する連携事業を認定しています。
UNDB-J認定連携事業については、UNDB-Jのロゴマークをご使用いただけるとともに、UNDB-Jとしても生物多様性全国ミーティングや生物多様性地域セミナー等において紹介するなど、積極的な広報活動を展開しています。
(ウェブサイト)./authorization/