イベント情報

国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)地域フォーラムin仙台(開催報告)

  • 地域セミナー
  • 開催報告
開催日時 2017年1月18日(水)13:00~17:00
会場 TKPガーデンシティ仙台勾当台 ホール7 (仙台市青葉区国分町3丁目6番1号 仙台パークビル3F)
主催等 主催:国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省
定員 約60名
費用
備考

UNDB-J地域フォーラムin仙台の開催結果について

国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省は、平成29年1月18日(水)に仙台市において、坂川東北地方環境事務所長、佐野宮城県環境生活部長、小林仙台市環境局長らの出席の下、「国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)地域フォーラムin仙台」を開催しました。

2011年から2020年までの10年間は、国連が定めた「国連生物多様性の10年」とされ、国際社会のあらゆるセクターが連携して生物多様性の主流化に向けた具体的な取組を行うこととなっています。

東北エリアで生物多様性の主流化に関する取組を行っている、あるいは行おうとしている団体又は個人が集まり、今後進めるべき取組を検討し、2020年に向けて決意を新たに活動を促進していけるよう、本フォーラムを開催しました。

概要

開催日時 2017年1月18日(水)13:00~17:00
会場 TKPガーデンシティ仙台勾当台 ホール7
(仙台市青葉区国分町3丁目6番1号 仙台パークビル3F)
主催等 主催:国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省
出席者数 約60名
会場の様子

開催結果

1.開会挨拶

  • 冒頭、坂川東北地方環境事務所長より、「東日本大震災からもうすぐ6年。生物の営みが再び見られるようになり、多様な生物や生態系が復元しつつある。生物多様性アクション大賞2016では、石巻市のあじ島冒険学校が復興支援賞、大船渡市の大船渡市立末崎中学校がグリーンウェイブ賞、大崎市のNPO法人エコパル化女沼とNPO法人田んぼが審査委員賞を受賞し、地域の取組も広がっている。東北地方環境事務所も、これらを励みに地域の方々とともに生物多様性の主流化に向け、取組を一層進めていきたい。」との挨拶がありました。
  • 続いて、宮城県の佐野環境生活部長からは、「宮城県には2つの国定公園、3つのラムサール条約湿地等、優れた自然環境が多数存在しており、多種多様な生き物が生息しているほか、地域固有の文化が育まれて来た。県では平成27年3月に、宮城県生物多様性地域戦略を策定し、豊かな自然を守り、育て、自然からの恵みを上手に使い、次の世代に引き継いでいくために、様々な取組を進めている。本フォーラムをきっかけに、取組が一層推進される事を期待する。」とのご挨拶がありました。
  • 最後に、本ミーティング開催地である仙台市の小林環境局長からは、「本市は豊かな緑や広瀬川の清流に象徴される自然に恵まれ、多種多様な生き物が生息している。「杜(もり)の都」と呼ばれるが、その由来は伊達政宗公が屋敷等へ植林を奨励した事に遡り、自然を大切にする気運が市民の間に脈々と受け継がれて来た。仙台市では、新年度はこれまでの取組に加え、生き物への愛着を深めるための観察会や、生息地として重要なヨシ原の維持管理等の新たな事業を展開し、自然と共生する都市作りの一層の推進に市民の皆様と取組んで行きたい。」とのご挨拶がありました。
 
坂川 所長 佐野 部長 小林 局長

2.講演 「地域と生物多様性のこれから~東北から考える2020年への道すじ~」

東北大学大学院 環境科学研究科 教授
香坂 玲氏

「東北は中山間地、漁業の場、都市部の距離が近いため、生物多様性、共生という事を大切に、その中でどういった繋がりを持てるかが大切。それを世界に示す事が出来れば、先進的なモデルとなる。国立公園等、手付かずの自然を守る事も大事だが、人が使い続けて来た自然の担い手不足も問題。地域が長く続く事が保全になるため、人の営みを続けるための社会作りが重要。色々なセクターが相乗効果を持って有機的に結びつくことが大切。都市部と地域が互いに連携し、互いが持っている物を活かしながら繁栄していく仕組みを考えていかなければいけない。」と講演されました。

3.UNDB-Jロードマップの説明

環境省自然環境局
自然環境計画課
生物多様性施策推進室
室長 西山 理行

国連生物多様性の10年日本委員会は、主流化の取組を更に加速するため、UNDB-J及び各構成団体の2020年までの目標と具体的取組をまとめた「ロードマップ」を発表しました。ロードマップの概要や、「目指すべき社会像」、「取組の方向性」の説明の後、具体的な取組事例の紹介や、COP13に関するお話等がありました。

※ロードマップについては、環境省報道発表資料(http://www.env.go.jp/press/103121.html)からご確認ください。

4.事例発表 「東北の主産業、農業・漁業に係る取組事例発表」

 ① 企業の取組
「生物多様性の保全と持続可能な利用に関する活動の事例報告」

株式会社仙台水産
専務取締役 石森 克文氏

漁業生産者を支援する取組の紹介や、サプライチェーンの体制整備に関するお話がありました。また、水産物を多くの方々に食べてもらうための「夏休み親子市場見学会」や「親子料理教室」の活動紹介等がありました。

 ② 民間団体の取組
「環境保全米の認定を通じた生物多様性の取組みについて」

特定非営利活動法人 環境保全米ネットワーク
事務局次長 福澤 隼人氏

環境保全米とそこの生物多様性に関する説明、活動を進めるうえでの様々なステークホルダーとの繋がりについてお話がありました。最後にこれまでの取組の成果と課題について紹介がありました。

 ③  民間団体の取組
「松島湾でのアマモ場再生の取り組み
~震災で失われた海辺のにぎわい再生を目指して~」

松島湾アマモ場再生会議
副会長 伊藤 栄明氏

冒頭に、設立の経緯やこれまでの活動の紹介がありました。続いて、津波による松島湾の環境変化について説明があり、人々の海に対する意識調査の報告がありました。最後に、人と海との繋がりを再生するための様々な環境学習イベントの取組のお話がありました。

 ④ 自治体の取組
「田んぼの生物多様性保全にむけて」

大崎市産業経済部産業政策課
自然環境専門員 鈴木 耕平氏

大崎市の概要や、2つのラムサール条約湿地などの市の自然環境のお話がありました。また、水田の取組事例として「ふゆみずたんぼ」や地域企業との連携についてと、「おおさき生きものクラブ」といった学外活動の紹介がありました。

5.ワークショップ
テーマ:「地域における生物多様性の主流化に向けた今後の取組や連携の可能性について」

  • 参加者は、「①これまでの取組の振り返り」として所属する団体の成果・課題を書き出し、グループで共有する事で共通の課題を抽出しました。続いて、「②これからやりたいこと」を書き出し、それをグループで関連性のある取組で分類しました。その結果を踏まえて「③連携したいこと」を書き出し、「自分の団体が実施出来る事」、「他の団体に実施して欲しい事」を話し合い、連携の可能性について議論しました。
  • 最後に、各グループで得られた結論を代表者が発表することで、参加者の意見を共有しました(途中退席者の調整のため、グループ番号は不規則)。
    ワークショップの様子
    グループ発表
    ファシリテーター
    東北大学大学院 環境科学研究科
    教授 香坂 玲氏
     ファシリテーター補助
    国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)
    事務局長 道家 哲平氏

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