イベント情報

1⽉11⽇(⼟)、12⽇(⽇) あいち・なごや⽣物多様性EXPO「未来へつなぐ「国連⽣物多様性の10年」せいかリレー」 キックオフイベント 【開催報告】

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開催日時 令和2年1⽉11⽇(⼟)、12⽇(⽇) 10:00〜17:00
会場 名古屋国際会議場
主催等 (主催)国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省、愛知県、名古屋市
(共催) 生物多様性自治体ネットワーク
定員
費用
備考

あいち・なごや⽣物多様性EXPO「未来へつなぐ「国連⽣物多様性の10年」せいかリレー」
キックオフイベント

2020年は⽣物多様性の世界目標である「愛知目標」の目標年であり、「国連⽣物多様性の10年(2011年〜2020年)」の最終年です。環境省は、国連⽣物多様性の10年⽇本委員会、愛知県及び名古屋市と共に、2020年1⽉11⽇(⼟)、12⽇(⽇)に名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)において「あいち・なごや⽣物多様性EXPO」を開催しました。
本イベントは、⽣物多様性に関する全国の取組成果を広く共有・発信していく『未来へつなぐ「国連⽣物多様性の10年」せいかリレー』のキックオフイベントとして、あいち・なごやの10年間の取組みを振り返り、未来へつなぐことを目的としています。

概要

開催日時 令和2年1⽉11⽇(⼟)、12⽇(⽇) 10:00〜17:00
会場 名古屋国際会議場
主催等 (主催)国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省、愛知県、名古屋市
(共催) 生物多様性自治体ネットワーク
出席者数 シンポジウム約1700人、2日間延べ約7300人
会場の様子 イベントホールの様子

開催結果

1.オープニング

地元名古屋市の富士文化幼稚園の園児45名による、元気いっぱいの歌と踊りで幕を開けました。バケツの稲作りを通じて、生きものと自分たちの命の繋り、生物多様性を体感した活動を発信しました。

2.開会挨拶

  • 冒頭、八木環境政務官より、「国連生物多様性の10年は、2010年10月に愛知県名古屋市で開催されたCOP10で生物多様性の損失を止めるため採択された愛知目標の達成に向け、2011年から2020年と位置付けられている。国内では国連生物多様性の10年日本委員会を設立して、愛知目標が掲げる自然と共生する社会の実現に向けた取り組みを進めてきた。最終年に当たる今年は、世界の生物多様性にとって極めて重要な年となる。UNDB-Jでは、未来へつなぐ国連生物多様性の10年せいかリレーというキャンペーンを実施する。その第1弾となるイベントを、愛知目標が採択され、国内の生物多様性に関する取り組みをリードされてきた、ここ愛知県名古屋市で開催できることを大変うれしく思う」との挨拶がありました。
  • 共催者である愛知県の大村知事からは、「愛知県では、多くの方に生物多様性に関心を持っていただき、県内を九つの地域に分けて生態系ネットワーク協議会を作った。現在県内のすべての市町村、主要な企業を始め286の団体が参加して、各協議会ではビオトープの整備や外来種の駆除、生き物観察会などの取り組みを積極的に進めている。またCOPの場で取り組みを世界に発信し、また世界の先進的な自治体とも協力しながら、地域における実践の重要性を呼び掛けてきた。今年の10月に中国の昆明で開催されるCOP15の場で世界と共有をし、次の目標で世界各地での取り組みがより活性化されるようアピールをしていきたい。あいち・なごや生物多様性EXPOを通じて、生物多様性の輪が大きく広がると共に、国連が定めた持続可能な開発目標であるSDGsの実現にもつながることを期待する」とのご挨拶がありました。
  • 同じく共催者である名古屋市の河村市長からは、「もう10年も経つのかなと。私が市長をやらせてもらって10年になるが、ちょうどこの舞台で当時の環境大臣が採択が決まった時に、ダーンって鎚で打つやつをやっていたなと思い出した。「名古屋議定書」、いろいろな国際条約がある中で名称に名古屋って入ったのはこれが確か初めて。そして名古屋には藤前干潟がある。今はウェットランドというのはどちらかかというと残すのが当たり前だが、当時は全然違っていた。あんなものは埋めてしまえと。工業化、開発優先だと。藤前はごみでしたけど、まあそういう時代を変えるというのをやりましたが疲れました。10年前にここでCOP10を経て、名古屋も環境の街になった。それから私が着ている、ちょっと派手なやつは名古屋の有松絞・鳴海絞というもの。ぜひ、皆さんも、こういう地域の伝統工芸品を応援して欲しい。それともう一つ、名古屋では、教育、人間の多様性のフロントランナーだということ。この10年前の記憶を忘れないようにしっかり取り組みたい。」とのご挨拶がありました。
  • 国連生物多様性の10年日本委員会を代表して、涌井委員長代理から、「昆明で開かれるCOP15に向けて生物多様性の主流化の具体的な方向を明示し、その次の目標をどう定めるのかという運動を引き起こすための「せいかリレー」。成果と聖火を掛けているが、それが、本日この場所から始まるというのは誠に意義深い。今、地球は本当に危うい状況になっているという認識を持ちながら、我々は他の生物なくしては存在し得ない種なのだという認識を深め、様々な意味で生物多様性についての関心を持っていただきたい。そして様々な生き物たちはその精緻なメカニズム、あるいはシステムの一つひとつの意味のある部品になっているということに対して、ぜひ敬意を表し、他の生き物といかに共生をしていく社会を作っていくのかということについて、身近なところからの行動をお願いしたい」と挨拶しました。

3.趣旨説明

環境省自然環境局自然環境計画課 生物多様性主流化室
室長 山本 泰生

生物多様性とは生きものたちの豊かな個性とつながりであること、私たちが恩恵を受けている生物多様性の恵みについて説明。UNDB-Jの活動とMY行動宣言、本日スタートし11月まで実施する「せいかリレー」について紹介した。生物多様性を身近なことと感じ、生物多様性のためにできることから実践をして欲しいと呼びかけました。

 

4.基調講演「さかなクンと考えよう! 私たちの暮らしを支える生物多様性」

生物多様性リーダー/地球生きもの応援団
さかなクン

絶滅が心配されるタツノオトシゴの仲間やタナゴの仲間、お互い助け合って生きる相利共生の関係にあるハタとエビやクマノミとイソギンチャクについて、その生態と絶滅の理由等について、イラスト使ったわかりやすい説明とクイズで楽しくお話しいただきました。
さらに、貴重な珊瑚礁や水産資源を守る漁の方法、川や海の生き物を脅かすプラスチックごみや外来種の問題。そして今日からでもできることとして、食べ物を感謝していただく、マイバッグなどの持参、ごみは分別してちゃんと捨てることなど、会場に詰めかけた小さな子どもたちも、とても熱心に聞いていました。

5.事例紹介

愛知商業高校ユネスコクラブ
中西 藻音さん、宮野 夏萌さん、中村 美月さん、村井 緋那さん、古橋 穂乃歌さん

2011年より「なごや文化のみちミツバチプロジェクト」を立ち上げ、校舎屋上で都市型養蜂を実施。「徳川はちみつ」としてブランド化するとともに、ハチミツを利用した社会貢献型商品を次々に開発。エシカルをテーマにしたツアーや体験イベント、SDGs関連の企画等、多分野に渡る活動について紹介して頂きました。

命をつなぐPROJECT学生実行委員会 筧 紗南氏、
日本エコロジスト支援協会 村田まりな氏

COP10をきっかけに発足した「命をつなぐPROJECT」は、知多半島臨海部に連なる企業緑地を舞台に、企業・行政・若者・NPO・有識者などの協働による取り組み。143名が参加する学生実行委員会が主体的に活動を担い、アニマルパスウェイの設置、ビオトープづくり、外来種駆除、モニタリング調査など生物多様性促進のための具体的な活動について発表していただきました。

ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ(株)幸田サイト
社員部総務課 加藤 雅親氏

社内ボランティアによるソニーの森づくりから、地域団体への森の開放、緑の質を向上する「ふくろうの棲む森づくり」へと段階を追って広げてきた活動について紹介。環境学習の場として、小学校の総合学習で在来種の苗木づくり体験や若者の活動体験研修。西三河生態系ネットワーク協議会との連携により、子どもたちが種子を拾い苗木まで育て、地域で行う事業に苗木を活用する活動について、お話しいただきました。

なごや生物多様性保全活動協議会
会長 長谷川 泰洋氏

多くの団体・個人、名古屋市から構成され、なごや生物多様性センターが事務局を担っている協議会。誰でも登録できる「市民生き物調査員」で行っている、池干し調査、アメリカザリガニやオオキンケイギク等の外来種のモニタリングや駆除活動、「なごや生きもの一斉調査」、体験型の「なごや生物多様性サマースクール」についてご紹介いただきました。部会活動としてオニバスやササユリ等の希少種の発見、保全活動等についても、お話しいただきました。

 

6.パネルディスカッション
テーマ「生物多様性からSDGs時代を考えよう! 」


<コーディネーター>
(一社)CEPAジャパン 代表 川廷 昌弘 氏

<パネリスト>
SKE48 高柳 明音、佐藤 佳穂
MAG!C☆PRINCE 平野 泰新・永田 薫
愛知商業高校ユネスコクラブ 中西 藻音さん、宮野 夏萌さん
命をつなぐPROJECT学生実行委員会 筧 紗南氏
ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ(株)幸田サイト加藤 雅親氏
なごや生物多様性保全活動協議会 会長 長谷川 泰洋氏
環境省自然環境局 局長 鳥居 敏男

冒頭、川廷氏から、生物多様性とSDGsについて、そして「自然との共生」という日本の生活文化から生まれた重要なキーワードについて解説があり、次にSKE48とマジックプリンスの方から、事例発表についての感想を聞きました。事例発表者からは10年の成果と今後どうしていきたいかを聞きました。
若い世代や多様なセクターの協働により、人材や資金の確保、継続する仕組みについて考え、それぞれの活動を愛知県全体に広げていきたいという話が出ていました。最後は全員がMY行動宣言5つのアクションから、自分が選んだ一つとその理由を紹介してもらいました。

 

7.UNDB−J認定連携事業の紹介

IUCN−J 事務局長 道家 哲平 氏

UNDB-J認定連携事業について、宣言活動数の推移や、部門ごと・地域ごとの行動数について解説していただき、第14、第15弾の認定連携事業の紹介をしていただきました。

 

 

8.UNDB-J認定連携事業 第14弾、第15弾 表彰式

UNDB-Jが推奨する連携事業を認定する意義・仕組み、第14弾、第15弾として認定された19事業について紹介され、当日出席いただいた14団体に認定証が授与されました。
認定連携事業第14弾
認定連携事業第15弾

 

9.生物多様性ユースアンバサダーの紹介

Change Our Next Decade[COND]
代表 矢動丸 琴子氏

全国から公募によって選ばれ、IUCN-Jが認定する「生物多様性ユースアンバサダー」について、ユース団体Change Our Next Decade(CONDコンド)代表の矢動丸氏より紹介。2020年、各地域ごとに様々な活動を行うアンバサダーに内定した皆さんが登壇し、代表して難波宏樹氏が決意表明を行いました。UNDB-J涌井委員長代理、IUCN-J渡辺会長から、その活動に期待する激励の言葉がありました。

10.展示の様子

愛知県、名古屋市による展示、UNDB-Jの取組を紹介する展示を行いました。

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