イベント情報

「地球温暖化×生物多様性ステージin KITTE天気から生きものへのメッセージ」トークショーを開催(開催報告)

20140302talkshow_3_R
  • その他のイベント
  • 開催報告
開催日時 平成26年3月2日(日)13:00~13:40
会場 KITTE アトリウム 特設ステージ   (〒100-7090 東京都千代田区丸の内2-7-2)
主催等 環境省  国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)
定員
費用
備考

開催概要

20140302talkshow_chirashi モデレータに涌井史郎さん、ゲストに気象予報士の森田正光さん、タレントの高木美保さん、生物学者の長沼毅を招き、それぞれの視点から生物多様性について天気を切り口にお話していただきました。

 

出演者

20140302talkshow_wakui_R 涌井史郎さん
東京都市大学教授
国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)委員長代理

 

20140302talkshow_morita_R 森田正光さん
お天気キャスター/気象予報士
国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)地球いきもの応援団、生物多様性リーダー

 

20140302talkshow_takagi_R 高木美保さん
タレント

 

20140302talkshow_naganuma_R 長沼毅さん
生物学者(理学博士)
広島大学准教授

 トークショー

涌井さん
今の地球はとても良くない状況にあります。それは世界人口、CO2排出量、世界の平均気温、生物の絶滅種数、これら4つの増加が同じカーブを描いているのです。昨年、絶滅危惧種として日本のウナギが取り上げられましたが、本当の絶滅危惧種は人間と思える程です。我々が将来に至るまで本当に子孫を残していけるかどうかは、これらの課題をどのように解決するのかにかかっています。1992年にブラジル・リオネジャネイロで地球サミットがあり、そこで締約された気候変動枠組条約と生物多様性条約の2つの条約を世界がしっかり守り、地球の未来を支えていこうと決めたのですが、残念ながら一昨年のリオプラス20でも明らかにされたように相変わらず、目先の経済成長や豊かな暮らしに拘り、地球全体の事を考える事がないのが現状でした。

皆さんも最近感じていると思いますが、雨の降り方を見てもそうです。まるで熱帯のスコールのような大雨が降ったり、除雪車が無いような地域で雪が2mも積もったりする現象が日々起きています。そして、典型的な現象として、大島で台風27号が大災害を起こした後、台風30号がレイテ島の沖合で発生し、東日本大震災の大津波と、アメリカの大竜巻が一緒に来たかのような大変な惨禍にフィリピンやベトナムの人々が巻き込まれました。このような状況が今、日常茶飯に起きています。これはもはや想定外とは言えない状況になってきています。ではどこにその原因があるのか、森田さんから話をいただきながら、みんなで原因について話を広げていきたいと思います。

森田さん
昨日の予報では、今日は雪が降る、降ると言われていたものの、今回は降りませんでしたが、先々週とその前の大雪に私たちは驚きました。当初都心では5~10cmと予想していましたが、実際には27cmと46年ぶりの大雪となってしまいました。

昨今「異常気象」とよく言われていますが、「異常気象」とは30年に一度あるかないかの出来事を言いますが、それが最近では頻繁に起きており、10年に1度、場合によっては更に早いサイクルで頻繁に発生しています。これはもう「異常気象」とは呼ばず、「極端気象」と言うようになってきています。

涌井先生がお話しされていた去年11月に起きたフィリピン・レイテ島での台風について、フィリピンは台風が沢山来るという認識をされている方が多いかと思いますが、今回は少し違った形で台風が起こりました。フィリピンは南北に長い国です。日本も同じく南北に長い国ですが、これまで沖縄や九州に来ていた台風が北海道に来るようになったらどう思うでしょうか。
それと一緒で、実はフィリピンは今まで北部を強い台風が通るのが一般的でしたが、フィリピン・レイテ島の台風は南の方を通っており、これまでに無いタイプの台風だったのです。これは明らかにこれまでの台風とは動き方が違ってきていると言えます。
これは先ほどお話をした30年に1回の異常気象の定義に当てはまるものなのです。
また、昨今、地球温暖化が進んでいるのに雪が降ったり、「寒いじゃないか」という声を聞きますが、これも同じことなのです。地球温暖化が進み暖かくなると北極の寒気が分割され、分かれた寒気が南に移動することで、南が寒くなるという理屈になります。この現象と同じく、東京に雪が降るということは、北極の寒気が今年は南にやってきている、日本にも近づいていると考えられます。本来は北極に溜まっている寒気が南に移動しているとも考えられるのです。地球温暖化が進むがゆえに、日本列島は、冬はすごく寒くなり、夏はすごく暑くなる。逆に北極やシベリアの周辺などが温かくなるという構造になっています。
目先で自分たちのまわりが暖かいから温暖化だとか、今寒いから寒冷化だということではなく、もっとグローバルに地球全体を見てみると、明らかに気象が変わり始めている。そんな現状に我々は生きているといえるのです。

涌井さん
農業というのは、日々の気象条件を味方にしながらやらないとできないと思うのです。
昔、森田さんのような気象予報士がいない時代、桜を植えて桜の開花に併せて農作業を決めるという役割を持っていましたが、本当に農業は気象によって変わりますよね。

高木さん
人工衛星によって気象が細かく分かる時代になっても、長野のアルプスに残る雪の形が馬になったからそろそろ代かきを始めるとか、私が住んでいる栃木県那須高原では近所の農家さんがコブシが咲いたから里芋植えろと、声を掛けてくれたり、自然が農作業の目安になっています。
そういう経験からひきつがれてきた暦がそのうち通用しなくなるのかもという怖さを感じています。
栃木に住んで15年ですが、雪が好きで引っ越したのに、ここ10数年は雪が減ってきていて、ぱっと降ってはさっとなくなることが多かったり、冬でも枯草が見えるという光景がずっと続いているかと思えば、この間のような大雪になったりと、驚かされます。
真冬にいきなり大雪が降る背景には、真夏に酷暑が当たり前のようにやってくる気象の極端化があるのでしょう。植物も人間と同じで、暑ければ呼吸が荒くなり、それが実りを悪くする結果に繋がって行くことが、田舎暮らしをしていて段々分かってきました。しかし、テレビの報道では残念ながら農作物の被害は伝えるのですが、なぜそうなっていくのかというプロセスは中々伝えきれていない状況です。
経済に直結する問題としての「地球温暖化」といったように一部分だけが報道されますが、今回のテーマである「生物多様性」と「地球全体の環境」を結び付けて触れられる機会が少ないと感じます。
今日は、それぞれのゲストの方々が紹介されるテーマが、実は同時に繋がっていて、私たちの食生活に大きな影響を与えるのだということに気がつき、知って頂ける場なので、そのあたりを注目していただきたいと思います。

涌井さん
高木さん突然の質問ですが、昨年カメムシは多かったですか?

高木さん
多かったです。

涌井さん
なぜそのような質問をしたのかというと、日本には昔から生物と気象に関わる伝承が多くあり、カメムシが多い時は大雪になる、沖縄に行くとデイゴの花が多く咲くときには台風が多い、カマキリの卵が高いところに生まれると非常に積雪量が多くなるなどと言われています。

高木さん
我が家はハチの巣が高いと大雪と言っています。

涌井さん
このように、生きものが気象を教えてくれるということも多いのです。宏観観測というのですが、昔は森田さんのような気象予報士が居ないから、生きものの変化を見ながら我々は、どのように1日を暮らしていくのか、どのように農業を進めようかということを知るのが昔の知恵だったのです。

涌井さん
そういう生きもの達を条件の悪いところで探し、つい一昨日ウガンダから帰ってきた長沼先生ですが、どう思いますかこの話を。

長沼さん
今回の日本の大雪は、ちょうどウガンダに行っていて全く経験していないのですが、ウガンダというのはアフリカの真ん中、更に赤道直下の真ん中ぐらいにあります。私が行っていたのはアフリカで三番目に高いルウェンゾリという山で、標高5,100mある高い山に行きました。山は赤道直下にあるのですが、気温が氷点下で氷河があり、万年雪があります。私はその氷河の中の生きものを研究しに行ってきました。
地球温暖化の影響なのか、世界の氷河は減っていて、ウガンダの氷河も数年でなくなっちゃうでしょう。ただ実態的に言うと、暖かいから溶けたということもあるかと思いますが、もっと大事なのは雨や雪が降らなくなった事なのです。
もともと氷河は雪が供給源で雪が降っても積もらないと成長しないのです。最近雪が降らなくなったので氷河も小さくなってきている。もちろん山の麓の方では雪は降りませんが雨は降ります。ウガンダの南西部はかなり雨が多いので山、森が素晴らしく豊かです。本当に多種多様な生物、特に植物、森林が素晴らしく、そこに生えている植物たちは現地の人達皆が「これは食べるとおいしい」とか「煎じると薬になる」といったことを知っているのです。
本当に多種多様な生きものがいて、そこからさらに人間が生きるための糧を得ている、あるいは知恵を得ているのがウガンダの素晴らしい自然なのですが、地球温暖化のせいなのか分りませんが、雨が降らなくなり、雪も降らなくなり氷河が消えてなくなる、そして生物多様性もなくなる。それがウガンダの人達にとってどれだけのダメージを及ぼすか、行くまでは分かりませんでしたが、行ってみて分りました。今日のテーマ、地球温暖化と生物多様性は同じ事なのです。地球温暖化のせいで雨が降らなくなった、降るときは降るのですが、降り方も変われば、降る場所も変わる。そのことによって人間が被るダメージというもの、これはウガンダの話ではなくて明日の私たちの事かもしれないですね。

涌井さん
皆さんは生物多様性という言葉はあまり聞き慣れないと思いますが、皆さんは今朝何を食べましたか?そして今着ている物、よくよく考えてください、誰のおかげですか?
皆さんから仮に他の生物を取ると、おそらくここにいる皆さんはいないです。つまり、われわれは他の生きもののおかげで今ここに存在しているのです。これは専門用語で「生態系サービス」と言います。日本語では「恵沢」、つまり人間というものは他の生きものの存在があって我々自身存在している、このように認識を持たなければいけないのです。だから生物多様性は他人事ではないのです。
例えば、ひどい場所で生きものがどんな風な生き方をしているのかを知る事が、実は将来人間を救うかもしれない、そういうことですよね。

長沼さん
そうですね。私が以前、南極や北極を見てきた理由はちょっとした環境の変動が一番出やすいところだからです。
その中で、生きものたちの変動を見てきました。

涌井さん
地球を将来救う技術としては「バイオミミクリー」というような言葉がありますが、例えば新幹線です。最近のN700系はカモノハシに似ているでしょう?つまり生きものは様々な環境ストレスに見事に適応したデザインをしており、システムを持っているのです。我々がやがて地下資源も無くなっていく中で人間が生き永らえていく為には、これをどう取り入れるかがすごく大事な事なのだと思っています。

 

森田さん
控室で長沼先生に「自然の利子」という考え方をお聞きしました。元本(自然)を元にそれを使わずに、例えば10%の利子だけで生活すれば(利子分の自然だけ使えば)元本の地球は永続します。木なども一定程度あり、新たに出来た木を間引いて生活すれば、元本は残り、利子だけで生活できるようになります。まさに「自然の利子」で生活しているのではないかと感じました。

涌井さん
まさにそうだと思います。我々は自然が元本です。その元本に手を付けていけばやがて貯金が無くなり老後も不安定になります。しかし元本さえ手を付けないで利息で暮らす方法は本来の人間の知恵で、地球の持つ力を損なわない範囲の中で、人間がどうやって生きていくのかが基本原則だと思います。
農業でも同じ事で、土をしっかり養っていかないと忌地(いやち)現象などで、土そのものが作物を支えられなくなってきます。だから農業の基本は作物を採る事ではなくて、一番大事な事は土をいかに力強くするのかという事ですよね。

高木さん
土をいかに力強くするのかという事にも色々とらえ方がありますよね。人工的に肥料を入れて収量が上がる事を第一の目的に農業をやるのか、それとも土も水も空気も作物も自然で安全であるという事を第一に、時間をかけて土づくりや、作物を育てるとか。生産者が皆さん(消費者)の思いに答えて安全であるという事を主眼に作物を作る為には、やたら土を肥やせばいいという発想にはならず、農薬も減らして、あるいはなくして、土のご機嫌がいいような土の育て方や、お水のご機嫌のいいようなお水の使い方を考えて努力するのです。もしこのまま冬が暖かくなって、明らかに温暖化の悪影響が出て来た時、まず最初に心配したのが害虫の事です。虫というのは自然の中で楽に生きているのではなく、さまざまな厳しい自然環境、特に冬の環境の中で自然淘汰されていきます。
これは生物多様性の中でとても大切な事で、1つの生きものだけが増えてしまうと自然界のバランスが崩れてしまうのですが、残念ながら今そこのところが気候変動の影響を受けているのではないか、と感じられて怖いのです。冬の間虫は、卵や幼虫、サナギといった、いくつかの段階で生存しており、冬の寒さで自然淘汰されていくので、虫側も考えてもともと多めに卵を産みバランスを取っているのですが、現代のように突然暖かくなると、夏頃に2回以上産卵するものが出てきて、生まれた虫がさらに卵を産むといったことが繰り返され、卵や幼虫の数が増えることになります。さらに暖かい冬を迎えて淘汰されないようになると、残っていく虫の量も多くなります。そうなると自然界のバランスが崩れ、蜘蛛や鳥なども食べきれなくなりイネや野菜などの害虫被害が増えてしまいます。
どうしようもなくなれば、たくさん農薬を使わないといけなくなるでしょう。農薬が追い付かなくなると、いよいよ遺伝子組み換え作物というような話になるかもしれません。「自然で安全で安心」が、無理になってしまうかもしれないのです。
経済用語で、GDPという言葉が使われます。GDPとは豊かさの指標と思われていますが、実はGDPの中には事故や災害といった不幸な出来事で生まれたお金の動きも含まれているのだそうです。農業も害虫被害でたくさん農薬が必要になれば、その出荷量が増えるので、もしかしたらGDPは増えるのかもしれません。それが本当に生産者や消費者の豊かさや幸せをあらわすものにならないのはあきらかでしょう。

涌井さん
我々は財布のお金が限られてくると、「誰かがくれる」とか、「稼いでくれば良い」という考え方になって、自分の財布の中の札束を増やすことばかり考えてきました。これは今までの考え方です。すなわち時間の流れの中で矛盾を解決していけばいいやという考え方をしてきました。明日の方がより良いのだと考えがちですが、実はそうではなく「財布の中の量は一定なのだ」、「ひょっとすると減っていってしまうかもしれない」、「だとしたら同じ使い方をしたらどうなるのか?」、これが今の地球の状況なのです。
本当の幸せとは「豊かさを追い求めること」なのか、そうではなく、「豊かさを深める幸せ」なのか、そろそろこの辺を選択していかなければいけないのです。そうしなければ我々は結局大きな罪を犯すことになっているのかもしれません。一体それは何かというと、我々の世代が欲張った結果、次の世代に取り分を残すことが出来なくなってしまう事なのです。これが「元本に手を付ける」という事なのです。

長沼さん
広島大学で「海洋生態学」という授業を持っているのですが、まさに学生にお話する最初の話が、「元本には手を付けるな」という事です。「利子で食べていこう」と言っています。
利子の話や元本の話で言うと、ものすごく弱い生態系の代表例はサンゴ礁です。サンゴ礁は「元本」がものすごく小さいのです。従って「利子」もほとんどなく、生産性も低く担保もないのですが、生物多様性はとても高いのです。しかし環境変化にはとても弱いのです。海は水温とか塩分とか非常に安定しているので、たった1℃温度が上がり下がりするだけで生きものがバタバタ死んでいきます。そういう所の最前線にいるのがサンゴ礁なんです。
簡単に言えば、多様性を持ちながらも弱いサンゴ礁、このとても弱いが大事な生態系を次の世代に残せるのかという事が象徴的かつシンボリックな例になるのじゃないかと思います。逆に生産性が高いところはどこかというと、海で言えば北太平洋やカリフォルニア沖です。そこでは地球の海のたった1%の面積で世界中の魚の約8割を支えています。そのたった1%の海を次の世代に残すのもまた私たちの使命なんです。それは地球温暖化・地球環境変動と生物多様性は同じという事なのです。ウガンダの社会が壊れてしまうかもしれないと言いましたがそんな事じゃなく、人間の文明が崩壊してしまうのはまさに、温暖化を通して生物多様性が崩壊する事なんです。ウガンダの話ではなく、私たちの文明の話です。

涌井さん
本当にそうですね。皆さんに知っていただきたいのは、1%の海域で8割の漁業資源が捕れる、これは何のおかげかというと、アムール川の上流の森林の養分が流れているからこそなんです。つまり海と陸は繋がっている。
畠山重篤さんが「森は海の恋人」と言いましたが、地球はシステムとして全部繋がっているのです。

涌井さん
皆さん人ごとだと思っていらっしゃるかもしれませんが、生物多様性は専門家だけの話ではありません、皆さん一人ひとりの問題として考えていかなければいけないのです。その為には現時点で三つの矛盾を解決していかないといけないと考えます。
1点目は「自然と人間のバランスを解決する事」、2点目は「発展途上国から先進国がお金で資源を買い取る事をやめる事」、3点目は「次の世代の事を考えた我々の生き方を選択する事」。どのようなライフスタイルを選択し、いかに未来に負荷をかけないか、物事は常に循環しているという意識を持つことが大事だと思います。

高木さん
いかに(自然の)元本には手をつけないで生活していくかというお話で思い出したことがあります。キャベツ畑を一緒に手伝ってくれた子どもがいまして、ものすごく青虫が付いていたので、子どもが「気持ち悪いから取って、トンカツを食べる時にキャベツを食べたいから」と言うので、私はあえて、「自分で食べる分は自分で取ってね」と告げました。子どもはよく考えて、「じゃあ虫さんに半分残してあとの半分を僕が食べる」と言ったのです。まさにこれが「足ることを知る」、「もったいない」とか平等、循環ということだと思いました。子どもでもこんなことを思いつくのです。大人は恥ずかしいと思いました。だから私は子どもに恥ずかしくない生き方、共存の道を選ぼうと思いました。

森田さん
皆さんの話を聞いていて「木一本、首一つ」という言葉を思い出しました。江戸時代の言葉で、木を1本切るとその人は死刑だという考え方でした。どういう考え方かというと、木の根っこには魚がいっぱい住んでいたり、卵を産み付ける「魚付林」で、木を1本切ることは、その生態系を崩してしまうのでそれは罪だという考えから来ています。
考えてみると私たちもそのような「循環」というものを知らず知らずに忘れているような気がします。世界中の生きものは200万から1億という種類とも言われ、どれだけ正確に居るか、ということも分らないそうです。しかし生態系というのは微妙にそれぞれパズルのように折り重なって出来ているので、どれ一つ取っても全体が崩れるという危うさがあると思います。気象の話をすると、「最近雨が増えている」「最近暑くなった(寒くなった)」といったような極端な気象が現れるのは、循環のピースの一つが抜けているからかもしれません、1つ2つのピースを抜いても分らないが、10個、20個と抜いてしまうと全て崩れてしまうという危うさ、危機感を持ってなくてはいけないのだろうなと思いました。

長沼さん
高木さんが「足るを知る」と言いまいたが、自分が満ち足りて何もいらない状態を「足る」といいます、漢字で書けば「知足」(ちそく)となります。このことはとても大事で、学生によく言うのですが、「人よりもっと欲しい」、「お金がもっと欲しい」とか「人よりもっと上に行きたい」とかいう事を「もっともっと病」と言っています。もしかしたら英語の世界でもあるのではないかなと思い検索したら「More More More disease」となっていました。これは全人類的な問題だと思います。「もっともっと病」、これの対策は「足るを知る」ということではないでしょうか。ほどほどのところで満足しようかというところです。勉強、スポーツなど向上心がとても必要な部分はありますが、それ以外は「足るを知る」だと思います。これはこれからの地球環境変動と生物多様性を守る話とセットだと思います。

涌井さん
未来のことを考えるというのは、次の世代のことを考えることです。私もよく学生に言っています。「なぜ私たちは生きているの?」と言ったら、それは宅配便と一緒だと、自分の遺伝子をどうやって受継いで、次の世代が我々と同じ幸せな条件をどうやって享受できるのかという点が、生きるということの最大の価値であると言っています。
そんなことを考えながら、生物多様性とは決して学者だけのものでもなく、政治家だけの話ではなく我々自身の次の世代への大きな宿題だと考えていただければと思います。

 

20140302talkshow_1_R 20140302talkshow_2_R

back